大阪 積聚治療 基礎Ⅰコース ④

会長はじめ、会の先輩方の多くがおっしゃることですが、鍼は究極、ただの細い金属ですし、艾はただの枯れ草です。世間一般では鍼灸治療=東洋医学となっていますが、専門家である我々の考えは違います。

ただの細い金属と枯れ草をどのように用いるのかが重要です。

鍼灸界では治療法を大きく2つに分けて見ている傾向にあります。一つは西洋医学的に、もう一つは東洋医学的に。では東洋医学的にとはどのようなことなのでしょうか。中国の古い古典に書いてあるような治療をすれば、東洋的なのでしょうか?病院でお医者さんがしないような診察をすれば東洋医学的なのでしょうか?

西洋医学は人の身体をどんどん小さく見て行くことで大きな進歩をしてきました。これまで発見できなかったことや、気付きもしなかったことがわかってきました。

では、東洋医学はどうでしょうか。東洋医学(厳密には医学と言っては問題ですが)では、人はもちろんこの世の全てが気であると考えてきたのです。つまり、答えははじめから分かっているのです。病も気であり、健康な人とはその気の状態が違うだけなのです。そのシンプルな考え方に則ると、症状に惑わされず多くの病気の治療が可能となります。

積聚治療では病の原因を「精気の虚(=冷え)」と考えます。腰が痛い原因は精気が虚したから。肩が挙がらないのは精気が虚したから。食欲な無いのは精気が虚したから。シンプルにこのように考えます。つまり治療の目的は「精気を補うこと」になります。積聚治療では鍼と灸をすることで、精気が補われると考えます。原因が究極に一つと考えるから、迷うことなく治療できます。

他の治療法では、症状におうじて治療しますし、病の原因が違っていたら、治療手段も変わってきます。

なぜ鍼灸治療はたくさんの種類があるのでしょうか?どの治療法も皆すばらしく、それぞれが特徴的で、効果があるので治療法としてなりたっているはずです。診察の仕方も、使用するツボも、使う道具も同じじゃないのに。そこで、こう考えてみてはどうでしょうか。それぞれの治療法で原因と考えている内容には、あらゆる病に共通の根元的な原因があり、原因と思われるものを対象に行なっていた治療が、実は気付いていなかった根元的な原因の解決になっていたと。そう考えてみると、多くの鍼灸治療が違うことをやっていても、同じように効果をあげていることが説明できます。

鍼灸は患者の根元的な原因にアプローチできる治療法である。

だったら、この根源的な原因を最初から考えて、効率的に治療できたらすばらしくないですか。

それが、積聚治療です。この根元的な原因を「精気の虚(=冷え)」と表現しているのです。はい、ここでお決まりの挨拶ですが、このブログを見ている鍼灸師及び鍼灸学校の学生の皆さん!東洋的な鍼灸治療の究極の追求形である積聚治療を学んでみませんか。

患者の病の原因を白黒はっきりさせましょう。白、黒、しろ、シロ…。ニコン最高!

DSC_0279