基礎集中・臨床研修コース

積聚治療を学んでいても、実際に治療をしている様子を見たことがない。という人が意外に多くいるようです。先日次のような内容の文章を書いてきた学生がいました。それには、こうありました。体調を整えるなどという理由で、何千円もかけて、鍼灸治療にくる人がいるなどとは、考えられません。とありました。確かに、その場を見たことがなければ、想像がつかないのも無理はありません。話は少し変わりますが、この治療の講義のために、海外へ出掛けて行くことがあります。その時に、私達が指標として使用しているEM というポイントがあるのですが、海外の受講生から、EM ってなに?と聞かれたのです。そこで、epicondylus medialis
だよと答えたら、即座に理解されました。当たり前の話ではあるのですが、解剖用語が普通に使えることに、感動したのでした。実は、現場を知らないというのも、これに近いものがあります。自分たちが学んでいるものが、実際に通用するものなのか、下手をしたら、ここで練習している時にだけ通用するのではないだろうか。そんな風に思えてくるのです。事実は、解剖用語と同様、発音さえ誤っていなければ、問題なく通用するものなのです。かえって、自らのごくごく限られた視野からの判断のみで、評価をしたあげくに、これは、ここだけの話だろうと、通じるにもかかわらず、早々とコミュニケーションを諦めてしまってはいないでしょうか。今、順々に教わっている治療の手順は、一つの治療として有機的に繋がっているもので、分解可能な、各パーツが合わさってして、存在しているわけではありません。便宜的に順を追って講義していますが、その真価は、始まりから終わりまで、一つの治療となって動いた時にのみ、現れるのです。受講生の皆さんには、ぜひそうした現場を体
験していただきたいのです。臨床コースの先輩達が、いかにして治療を進めていくのか、
またそのためには、どのようなスキルが必要なのか、実際に治療を受けて、何度も何度も確認してみてください。自分のなかに治療のイメージが、できあがってくれば、しめたものです。後は簡単です。

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