イチロー5

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まだまだ全然未熟な私だが、ちょっとだけ自信を持って患者さんに接することがきるようになったかなーと思えるのはつい最近だ。

積聚会では刺入は患者さんの状態に合わせることを目的に、容易に刺入ができない鍼尖の丸い銀鍼を使用している。しかも、銀の毫鍼を使用する日本の古典的であることを標榜する治療家から見ると、少し太めの3番鍼。この鍼を使用して、委中穴に抵抗無くスッと1分以内に入れることが安定した技術が重要ともしている。

初めてこの練習を習ったのは、熱海の鍼灸学校を卒業して東京に出てきて、初めて参加した積聚会講習会中級コース(現基礎Ⅱコース)であった。会長のデモを見て、こんな技術があることを知り、ワクワクしたのを覚えている。しかし、その数分後その技術の難しさを嫌というほど知った。相手に痛がられるやら、鍼は入らないやら…。学生時代ちょっと鍼が得意で天狗になっていた私は、その鼻をすぐに折られた。

ある程度自分の技術に再現性がでて、また天狗になりだした頃、初めてアメリカボストンに連れていってもらった。積聚治療第2回ボストンセミナーである。外国人に日本の鍼灸の技術を教えてやる!位の勢いと初めてのアメリカでの興奮で調子にのっていた。会長の一言で大勢のアメリカ人鍼灸師の前で委中刺入のデモをやることに。自信満々で刺入する予定が、10分以上経っても入らなかった。会長、と二人の副会長の見守る中、大失敗であった。積聚治療を教えることが当たり前になっていた自分は、その責任とデモの失敗でものすごい凹んだ。後から、調子にのっている私の鼻を折るべく、わざと会長が私にデモをやらせたことを聞かされた。話ながら会長はニヤっと笑っていた。。

自分の未熟さを知った。経験もなければ、技術もないし、知識もない。アメリカ行っても英語もしゃべれない。誰が誰に何を教えようとしていたのか。

天才と言われるイチローさんがこんなことを言っています。

『ぼくは天才ではありません。なぜかというと自分がどうしてヒットを打てるかを説明できるからです』と。

委中刺入を知ってから10年。最近は少しだけ説明できるようになりました。

会長がよく言われます。『何かをやるときには、それを他人に説明できるくらいまで、突き詰めなさい』と。

積聚会の会員全員が講師をする必要はないです。でも他人に説明できる位、自分の中で消化されていなければ、本当に理解しているとは言えないと思います。

みなさんは、他人にどの程度、積聚治療とその魅力を説明できますか。

写真は私がこよなく愛する天才画家の大好きな作品の一部分です。わかった人には何かあげます!→ウソです