来院前にお読みください
はりきゅう治療の体への影響
鍼や灸は、体の表面に軽く刺激を与えて、体の気のひずみを調整する治療法です。
皆さんの体には、生まれてから今までの疲れが必ずたまっているもので、それが体に微妙なひずみを生じさせ、今日の体の悩みを生じさせたと考えられます。
今までの疲れとは、妊娠中、出産、出生の状態、生後の栄養事情、人間関係、仕事の内容、今までに罹った病気、受けた治療が元になるものです。
それからくる疲れは、体に次のような形となって現れます。
- 腹部の痛み、しこり、拍動(これらを積[しゃく]といいます)など
- 足腰の冷え、痛み、首・肩のこり、のぼせ(目・耳・鼻の病気、頭が痛い・重い)など
- 左右半身の冷え、痺れ、動作の異常など
このような状態を専門的には、「気がかたよる」といっています。
いずれも、体のひずみを現わす内容で、その内もっとも重要な気の異常は「積」という腹部の異常です。
治療とは、おなか・背中や手足に適度の鍼や灸の刺激をすることによって、この「気のかたより」をなくして体を均整のとれた元の状態に戻すことです。
気がかたよって病気になるという考え方ですから、これはすべての病気に当てはまり、どの病気が鍼灸治療に適しているかとか、どの体が鍼灸治療に合うかという区別は、本来ありません。
いずれも治療の仕方にかかっていることなのです。
治療を受ける前に
- 治療を受ける5~10分前に来院され、体を休めておいて下さい。
- 治療1時間前の食事は、できるだけさけて下さい。食後であればその旨を教えて下さい。
治療に際して
- 鍼灸の治療は全身が対象ですから、ネックレス・ブレスレット・指輪・イヤリング・眼鏡など身に付けているものをできるだけはずし、お腹・背中・膝を出しやすい服になっていただきます。
- ペチコートや浴衣などを用意され、着替えられても結構です。
- 顔の色も診断の対象になりますから、化粧はできるだけ控えて下さい。
マニキュアやペディキュアも、爪の様子が判らずに困ります。 - 治療の順序は、腹部、背中、腹部の順で、それに併せて手足などをみます。
- 治療中は気持をゆったりとして下さい。
- 現在服用の薬、あるいは使用中の健康器具などを教えて下さい
- 当院で使用の鍼はディスポーザブル(使い捨て)鍼ですので、衛生上の心配はご無用です。
- 枕カバー用にペーパータオルを用意してありますが、資源の節約上、できるだけご自分のタオルなどをご持参下さい。
治療後
- 治療後は、しばらく待合室で休んでお帰り下さい。
- とくに最初の治療の後は、今までにない体の状態を経験することがあります。
たとえば、眠くなる、だるくなる、あるいは症状がかえって重くなるなどですが、鍼灸の治療は気を動かすことですから、そのような違和感は体のひずみが調整されていく過程であるとみてください。
それまでの疲れが強いほど、その反動は強いものです。
2度3度と治療の回数を重ねるに従って、治療後の不愉快な印象はなくなってきます。 - 仮にがまんできない症状が現れた時は、そのむね電話ででも直接相談して下さい。
- 治療を受けた日は、静かに過ごして下さい。
これは、鍼灸の治療で動かされた気の静まるのを待つような気持です。
とくに重労働、アルコール、風呂(シャワーは可)、徹夜、セックスは治療の影響を帳消しにします。 - よい体調を保つには、治療を受けるだけでは不十分で、むしろ日頃の皆さんの生活の仕方が大切です。
それは、病気のほとんどが日常の生活の仕方からくるからです。
この機会に、冷たい食べ物や飲み物をひかえ、体を冷やさない、就寝時間を早めるなど、生活の内容を検討してみて下さい。