一つの鍼灸治療を学ぶとなると、まずその技術的な要素に焦点が当たることになるでしょう。目の前にある、見ることができる、ということから、誰もがその技術を得ることに夢中になります。しかし、技術が有ることと、治療が上手くいくこととは、必ずしもイコールで結ぶことができるとは言えません。こんなことを感じたことはないでしょうか 、鍼灸を始めたばかりの時の方が、よく治った気がする。技術的には未熟なはずなのに、どうしてでしょう?様々な方面からの分析ができるでしょうが、一つには、鍼灸に関わって間もない頃は、より鍼灸の可能性を期待して信じていたのではないでしょうか。技術は、絶え間ない訓練によって身に付けるものです。しかし治療ということになると、それだけでは、十分だということになりません。技術を支えている核となるものが必要なのです。それが、信念であり、今日学んだ基礎の理論です。核を大きく強くすることが、治療をより効果的にしていく近道なのです。
今日の基礎集中講座より。