人体を気の重層構造ととらえると、自分がどの深さに焦点を当てているのかで、指標にすべきポイントが、左右違ってきたりします。例えば、左右の肩井をみたとします。表面の層では、右の方が固かったとすれば、右が指標、左が治療側となります。しかし、肩井をさらに深く探ってみたらどうでしょう。今度は、左の方が、固く感じます。すると、この層では、左指標の右治療側となります。さらに深く探ったら、また、逆転するかも知れません。では、いったいどれが正解の指標なのでしょう?答えは、全て正解ということになります。何故か?つまり、指標は、それを利用する人の目安であるという性格上、その人が焦点を当てた階層の相対関係がクローズアップされるものなのです。よくこんなことを経験しませんか?指標の確認をしてもらうと、いつも左右が逆になる。単純に指先の問題を差し引けば、実はあなたの選んだ指標が誤りであるというわけではなくて、みている階層が違うということなのです。さらに言えば、より深い階層をみることができる力が、その人の治療できる力
を表していると言えるのです。先生と逆なことは、残念ではありますが、
悲観すべきことではありません。むしろ、本当は階層が違っているのに、同じ側を選んでしまう指の方が、問題が大きいと言えます。
今日の基礎集中より