応用コース 第2回

2回目が終わりました。今回の講義内容は、「精気の虚を探る」!です。

なぜ、精気が虚しているのか、精気が虚する原因は何かを、初診カルテを使用しながら、問診で探っていきます。これらの内容は、赤本こと『積聚治療 気を動かし冷えを取る』(医道の日本社)の前半にページをがっつり割いているのですが、話を聞くとほとんと多くの人が読んでません。いや、読んでいるのですが、生かしきれていません。あそこを使いこなしているかいないかで、積聚治療の考え方が身についているかどうかわかります。人体の生理機能が書かれているのですが、今回の講習会では、その中から尿を一つの例をして紹介しました。尿の生理機能、病理、病能を積聚治療の考え方、つまり精気の虚に当てはめて考えるとどうなるか、ということなんですが、これが慣れるまで難しいんです。この辺の重要性や、応用しようと思ってくると、いよいよ易の勉強が必要になってくるのですが。

さて、実技はもちろん吸角練習をするのですが、その前にお互いを治療します。私の合図で30分以内に治療をします。もちろんカルテの記入時間を含めてです。ですので、最低25分で坐位ので治療段階まで進んでいないといけません。

意外の意識をしていない人が多いのですが、技量上達の最も代表的な指標が治療時間の短縮です。積や指標の変化が不十分だった頃に比べて、十分に変化しだすと、そこで治療に満足してしまう傾向があります。その状態で満足してしまい、次に難しい患者さんと出会ってしまうと、決められてた手順で治療しているの治らないと勘違いし、、局所をいじったり、補助治療に頼ったりしてしまいます。鍼灸治療は同じことをやっていても効果が違うという事実が存在します。つまり、見た目はいっしょでも中身が全く違うという状態です。その爲には治療の中身を濃くして必要があるのです。具体的には刺入力をつける、取穴や指標の確認を短時間で行うなどです。それらの結果は治療時間の短縮として確認でき、患者さんにとってはよい一層の治療効果として現れてくるのです。なぜ、講習会でお互いに治療をするのかの意味を考えましょう。普段患者さんを治療しているのと同じようにやっていたのでは、何の意味もありません。治療の技量を上げる為に講習会に来ているはずですので、時間が短い中でいかにいつも以上の治療効果を上げれるのかを考えて、取り組んでみましょう。

私の経験から、治療時間が45分以内になるまではひらすら補助治療(特に特殊鍼灸法)を十分に使いこなすこと、30分近くになってきたら、積聚治療の考えで精気の虚の原因を探れるようになること(問診及びカルテの取り方)、そして30分を切り出したら応用コースでの最後の補助治療の習得。そこまできたら、いよいよ意識を積極的に用いていきます。もちろん、意識を使えるようになる基礎のトレーニングはいつからでもできるのですが、多分実感が得られないので、それよりは先の手順で身に付けていくことを、私はお薦めしますよ。

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