臨床研修講座

今日は、意思の話をしましょう。以前、粘菌の話をしたことがありました。単細胞生物の粘菌には、意思がある。という実験が、イグノーベル賞を受賞したというニュースが報じられたことがありました。ご存知の通り、イグノーベル賞は、本家ノーベル賞のパロディーですが、役に立たないけれど本気の面白い研究に与えられるものです。結構、日本人の研究者が受賞していますね。このことは、何だかんだ言っても、日本の文化的な懐の深さを表しているような気がしています。さて、本題に戻るとしましょう。私達は、脳が発達しているお陰で、このような豊かな意思を持つことができている。と思い込んでいますが、単細胞の粘菌にも、意思があるような行動を示すということであれば、果たして、私達の意思は、どこから始まっているのだろうと、疑問が生じてくることになります。最先端の物理の世界では、素粒子が、意思に左右されてしまう、それどころか、素粒子自体が、あたかも意思を持ち合わせているように振る舞う、そんなことらしいのです。となると、1つの細胞が、意思
を持っていることなど、驚くに足りない事実なのかも知れません。さて、積聚治療では、
すべてのありとあらゆるものに、根元からの意志が働いていると考えています。だとすれば、治療をする体はもとより、鍼やお灸、果てはワゴンや部屋自体も意思を持つのではないかと、結論に近づいて行くのです。この講座では、さらに進んで、治療法自体にも意志があると、考えてみましょう。よく言われることですが、お金は、大切にしてくれる人のもとに集まると言われます。お金自体が意思を持って、行くべき先を選択しているのです。私は、治療も同じだと考えています。その治療を愛し、大切にしてくれる人のもとに近づき、本当の姿を現してくれるのです。そう考えてみると、世の中は実に単純にできているということに、気がつきます。そうした意思を理解できる人に、すべての力が集中しているのが、よくわかります。ここで、臨床講座のみなさんに、1つキーワードを上げておきたいと思います。それは、素直、という言葉です。常に、自らを真っさらな状態にしておき、なんの先入観もなく、ものに対面することが、できる能力が、本質に近づく力を表しているのではない
かと、最近、思えるのです。

今日の臨床研修講座より