基礎集中講座・臨床研修講座

指標というのは、いわゆる特効穴のように、何か特別な部位の症状を表しているというものではありません。
ここで私たちが言うところの指標とは、すべて精気の虚を表している場所のことなのです。
ですからそこがもし指標であるなら、どこを見てもすべて同じものが表現されているということになります。
極端な話をすれば、一ヶ所の指標を確実に、それも深く判断することができれば、それだけで治療が成立するとも言えます。
ただ、私達が自然を観察しようとする場合、一ヶ所だけの観測結果よりも、観測ポイントを変えたいくつかのデータの方が、より実態を捉えやすいことは確かなことです。ここに、たくさんの指標を見る意味があります。

では、例えば全身に現れている指標の一つを見落としてしまったら、どうなるでしょう?
結論から言えば、特にその事によって不具合が生じることはありません。
確実に他の指標によって、精気の虚を捉えることができていれば、一ヶ所や二ヶ所、見落としていたとしても問題ありません。
ただし、これは確実に精気の状態が捉えられている場合に限ります。逆に言えば、たくさん指標をとったとしても、どれも精気の虚を捉えられていないとしたら、
これは大変問題であると言わざるを得ません。
そのような状態では、もはや積聚治療の手順をすること自体、なんの意味も持たないことになってしまいます。
これではいくら積聚治療が優れた治療であると言っても、期待した効果を
望むことはできません。

各講座で教わる指標は、全身の中でも、比較的触りやすい、精気の虚をみるのに都合の良い場所です。まずはここから確実にみることができるようになるといいでしょう。

何をするにあったても、基礎力がものを言うのに変わりはありません。あせる必要はありませんから、じっくり取り組んでみてください。

基礎集中講座より。