10月18日(日) 北海道基礎1コース 第10回

1445260644013すっかり秋も深まった10月も半ばの日曜、およそ半年間に渡って開催されてきた、今年度の北海道基礎1講座がいよいよ最終回を迎えました。
 
ここまで、基本治療と基礎的な補助治療を順番に学んできましたが、最後に学ぶのは募穴を使った補助治療です。基本治療で背部愈穴を4穴を使い、それでも腹部の積に変化が起こせなかった場合、さらに手足の要穴を使って補助治療を行いますが、更にそれでも補いきれない精気の虚がある場合に、募穴を使った補助治療を行います。
 
募穴を使った補助治療は、季肋部下縁の圧痛や虚している部分を探っていき、巨刺で治療していきますが、テキストには、「ステンレス鍼や鍼管を用いてもよい」と書かれていますが、現在では刺入深度と治療効果は比例しないことがわかってるので、背部愈穴治療のときと同様に、必ずしも刺入しようとしないで入るに任せるようにします。
 
こうして、背部愈穴(4穴)、手足の要穴(2穴)、募穴(2穴)の最大計8穴くらいまでが、ドーゼオーバーを起こさないラインだと先生はおっしゃっていました。そして、いつも言われることですが、このように治療穴が増えたとしても、トータルの治療時間は常に一定にすることが大原則です。
 
初診の患者さんを治療するときは、ついつい主訴の変化を追いかけ過ぎてしまい、どこまでも治療を続けてしまいそうになりますが、先生はそこに注意が必要だとおっしゃいました。患者さんの症状には歴史があり、その主訴が出現するに至った経緯があるわけですから、それを1回の治療で全て無くしてしまおうというのは、大きな変化を強いることになり、結果的に患者さんの負担につながるというわけです。
 
ですから、1回の治療時間の中で、どこまで積や主訴を動かすべきか?ということを考えながら、治療を行わなければならないということでした。治療の刺激量は最小にして、最大の効果を得られるようにすべし、ということですね。そういう意味で、治療時間は常に一定にし、刺激の総量を制御するように心がけるのです。
 
さて、これで基礎1で学ぶ内容は全て終了となります。積聚治療を行う上で、核となる重要な部分が基礎1には集約されています。初めの頃は、やっていてもピンとこなくて、これでいいのかと不安になることもあると思いますが、先に進むにつれて、色々なことがどんどん繋がっていき、技術も知識も向上していきます。受講生のみなさんは是非ともここまでの内容に熟達して、上のコースに進んで行くことをおすすめします。
 
この日の夜は、鈴木美由紀先生を囲んで、北海道で積聚治療に関わる先輩方も交えて、ワイングラス片手に遅くまで盛り上がりました。(種田)
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