2017年10月1日(日)錦糸町/東京のもも鍼灸院で第6回目の基礎2講習会がありました。講師は横山季之先生です。報告が少し遅れてしまいました申し訳ありません。
今回から体を陰陽で分けた場合の陽の病症に入りました。
精気の虚が起こるとさまざまな症状がでますが、その出方に1つの傾向があります。
「病症の成り立ちは、まず下虚(陰虚)が手足の末端から始まる。これはのぼせに対しての冷えと称しているもので、冷えがのぼせをもたらし、徐々にその冷えが上に昇り、さらに症状が悪化すると解釈する。」東洋医学講座10巻 P263 ②上下関係より
人間の体を上下で分けると臍のあたりで分けて下側が陰、上側が陽に分けられます。
その場合、陽の問題は頭・首・顔・胸部や上肢の問題になります。
陽の病症に症状が有る時は陰の病症を通り越して陽の病症に移ってきたので、その分精気の虚が進んでいると考えられます。
実技は患側の極泉にお灸をしました。極泉穴は下痢、眩暈などの陽虚病症、循環器系疾患、顔面部の症状(顔面神経麻痺など)、多汗などに有効です。痛みが顕著な時、陽の病症として深い、つまり精気の虚が進んでいると考えられます。特に顔面神経麻痺の患者さんには著効があります。発症してからの時間が早いと特にその効果が期待できます。極泉穴の痛みが左右にあった時はまず痛みの強い方を指標にして健側に巨鍼をして指標の変化をみてください。痛みが残れば透熱灸をします。
取穴は仰向けの状態で肩関節を外転外旋位にしてもらって上腕部をベッドにくっ付けてもらうと脇の下がピーンと張りますので、この状態で皺の中央のあたりを中心に向かって押していきます。
左右同じように診て、反応がある人にはゴリッとした感触の押すと痛がる指標があります。この指標がある時は上実が強いとみてよいでしょう。極泉は特に顔の症状の強い時にたとえば鼻の疾患とか目の疾患等に多いです。症状がある側極泉の反応があることが多いです。
陽の病症がありそうな患者さんにはうつ伏せになる前にこれらの指標を確認して下さい。特に五十肩の患者さんには胸骨周りの指標を確認しておかないとその後の補助治療の選択にも影響しますので必ずみましょう。
助手 堀部耕平