基礎2東京日曜クラス 第5回報告

少し報告が遅くなりましたが、2017年9月3日㈰に東京/錦糸町のもも鍼灸院で第5回目の東京基礎2コースが行われました。講師は横山季之先生です。

これまで下半身の運動器疾患を「陰中の陽」、下半身の内臓器疾患を「陰中の陰」の病症としてみていきました。
「まず下虚が手足の末端から始まる。これはのぼせに対しての冷えと称しているもので、冷えがのぼせをもたらし徐々にその冷えが上に昇り、さらに症状が悪化すると解釈をする」という事でした。
冷えが、足首→膝→臀部→腰と昇ってくると、足首→膝(委中・委陽・膝関・曲泉)→臀部(腸骨稜)→腰(志室)というようにそれぞれの指標が現れてくることで、どこまで冷えが上がってきているかを知ることができます。様々な指標が出てきましたが、患者さんが陰の病症とわかったら、これまでに習った全ての指標をチェックすることが大切です。

陰の病症で特に重要な指標は「腸骨稜」です。治療前や中に確認することで治療の展開や流れを決めることができます。

陰の病症(運動器疾患)の補助治療

① 腸骨稜の変化が主訴と共に全く無い場合
患側の腸骨稜に長鍼、太鍼、灸頭鍼

② 腸骨稜の変化に左右差がある場合
患側の脊際に鍼か灸
健側腸骨稜に巨刺

陰の病症(内科疾患)の補助治療

① 基本治療での変化が主訴と共に全くない場合
腸骨稜・腎兪・志室に灸頭鍼や長鍼、太鍼など

② 腸骨稜に指標は無い場合
腰部督脈・鳩杞・腎兪・命門など

③ 腸骨稜に変化がある場合で、腹臥位で補助治療を選択する場合
失眠・女膝・崑崙・太渓・三陰交など

④ 腸骨稜が十分に変化しても主訴が変化しない場合
水分・関元・中極・曲骨など

実技は鳩杞にお灸をしました。下半身の冷え、特に泌尿器系の疾患に著効がありますが、焼き切る場合、灸跡が残りやすいので説明が必要です。

助手 堀部