2024年1月21日に基礎Ⅰ日曜追加クラスの第10回目の講習会が行われました。
今回は、四肢の要穴を用いても、腹部の積が変化しなかった場合に行われる補助治療である「募穴を使った積の調整」(季肋部下縁の治療)について学びました。
講義の始めに、テキストの表記では「募穴を使った積の調整」となっているのに対し、実際に用いる経穴は季肋部下縁のツボであること、小林詔司先生がなぜ季肋部下縁のツボをだけを用いようとしたのか、この使用する季肋部下縁のツボを募穴としたのかについて、高橋先生から詳しく説明がありました。
実際の方法は次のようになります。
背部治療後の腹診時に、積が心・脾・腎の領域に残っていた場合には左右両方の季肋部の反応点を上方から探し、圧痛が強いほうを患側として指標とし、その反対側に鍼を行います。
積が肝・肺の領域に残っていた場合には、積のある側と反対の季肋部に対して鍼を行いますが、原則として2穴までです。四肢の要穴を用いた積の調整も原則2穴でしたが、積聚治療では最小限のツボ数で最大の効果を出すことを基本としているからです。
デモにて、季肋部下縁の反応の探し方と鍼をする方向について確認した後、ペア同士で主訴の確認から基本治療を通しで行い、四肢の要穴を用いた補助治療後に、今回の季肋部下縁を用いた治療を行いました。
季肋部下縁は左右の肋骨の間が広い人や狭い人、触れやすい人、触れにくい人など人によって全然違う印象があります。今回の講習会だけでなく、色々な人に治療をして練習していきましょう。
私が積聚治療を学びたての頃、基本治療だけで患者さんの積を全て取り去ることは難しかく、今回学んだ「募穴を使った積の調整」と、前回学んだ「四肢の要穴を用いた積の調整」はとても有効な方法に感じました。
実技の終了後には、本日が講習会最終回のため質問の時間が設けられ、臨床のこと、実技について、小林詔司先生について、今後の勉強会についてなど、沢山質問が飛び交っていました。
最後に高橋先生より積聚治療を上達していく上でのステップについて説明があり、また、今後積聚治療を学んでいきたいと考えている受講生への勉強会の受講コースの紹介があり、講習会は終了となりました。
今回基礎1クラス全10回に参加させていただきましたが、基本治療の手順一つ一つを学んでいく中で、高橋先生の接触鍼や脈調整、指標の触り方、取穴の仕方と自分の認識が
違っていることを痛感し、大変勉強になりました。
私も今回の基礎1クラスで学び、気づけたことを、今後の臨床に活かしていこうと思います。
受講生のみなさま、約8ヶ月間お疲れさまでした。