2023年度 基礎1日曜コース追加クラス第3回

7月2日(日)基礎1コース日曜追加クラス 第3回目の講習会が行われました。

前回の講習会では基本治療の手順のうち「指標の確認」と「腹部接触鍼」について学びましたが、今回の講習会では次の手順である「脈診」と「脈の調整」について学びました。

まず講義の始めは、スライドを用いて小林先生が積聚治療の脈診を考案するまでの歴史的な背景、他の治療法と積聚治療では何を対象にして脈診を行っているのかについて詳しく説明がありました。

積聚治療では気を浅い層から深い層まで、皮毛・血脈・肌肉・筋・骨というふうにみており、この気の層として人間の体を捉えていくことを「気の多重層的構造」と表現しました。「脈診」「脈調整」では腹部接触鍼の時よりも少し深い気の層である「血脈」を対象にみていくことになると説明がありました。

続いて、積聚治療の脈診について脈位、脈の種類、脈が何を現すのか、脈診時の指の当て方、脈の評価方法についてスライドで説明があった後、高橋先生により脈診のデモが行われ、患者の手首の角度・手のひらの向き・小指球の着く位置、脈診部位の指の置く位置の決め方、指の使い方、4種類の脈の取り方について説明がありました。

4種類の脈とは、指を皮膚表面に軽く乗せただけで触れる「陽実脈」、骨に至るまで圧した脈のうち指の力を抜いた時の立ち上がりの遅い「陰虚脈」、骨に至るまで押しているのに脈が消えない「陰実脈」、脈拍が指に感じにくい「陽虚脈」の4つでした。

私が初めて基礎1の講習会で脈診を学んだ当時は、学校で教わった脈診とは違い、脈を診る時に示指・中指・薬指の関節を曲げないようにしながら3つの指の指腹で脈を圧していくことが頭では理解しているつもりでも実際に行ってみると、とても難しく何度も受講生同士で練習しました。

その後、受講生同士で実際に脈診を行いました。

高橋先生が1人ずつ受講生の脈診を行い「陽実脈」「陰虚脈」「陰実脈」「陽虚脈」に該当する学生を選び、今回は「陽実脈」が顕著な受講生がいましたので受講生全員でその脈を確認しました。

その後、スライドで「脈調整」についての説明がありました。

積聚治療の脈調整では太淵穴と大陵穴が用いられます。なぜこの二つの経穴を使用するようになったのか小林先生の著書である「東洋医学講座第十巻」の内容から、「脈調整」で使用されてきた経穴の変遷と、その選穴の仕方、指標のみかた、「積聚治療」の内容から陰虚脈が現れやすい6つのパターンについて詳しく学びました。

そして高橋先生による脈調整のデモが行われ

脈調整のデモでは前回の講習会で学んだ「指標の確認」「腹部接触鍼」から「脈調整」まで手順を確認しながら説明をされていました。

そして、受講生同士の実技に移り、今回はデモと同様に

①脈拍数の測定②膝周りの指標の確認③腹部接触鍼×3④膝周りの指標の再確認⑤脈診⑥脈調整の指標の確認⑦脈調整をしながら脈調整の指標の確認⑧脈と膝周りの指標の再確認 までの一連の流れを通して行いました。

受講生の様子を見ると、前回の講習会の内容を復習しているようで「脈調整」までスムーズに行われている方が多いように感じました。

高橋先生が仰っていましたが、指標の確認や腹部接触鍼・脈調整は練習すれば練習した分だけ上手になってくるので、次回の講習会までにどんどん練習していきましょう。

次回の講習会は7/23日です。

蒸し暑い日が続きますが、体調管理にはくれぐれも気をつけて万全の状態で次回の勉強会でお会いしましょう。