2025年度 応用Ⅰコース日曜クラス 第8回

今回の講習会では、前回行った初診問診のカルテ添削から、受講生の皆さんに共通して不足していた重要な視点と、治療の精度を高めるためのポイントが解説されました。

治療の精度を上げるために、以下の問診・指標設定のポイントを改めて徹底することが大切だという説明がありました。

① 主訴の部位を「触る」こと 「喉が痛い」という患者さんには、まず喉を触って指標にすること。「鼻詰まり」なら鼻の周り、「首肩こり」なら首の硬結を指標にすること。患者さんの意識が主訴の部位に向くことで、治療の効果が波及しやすくなります。

② 問診で「外傷歴」を深掘りすること 患者さんのスポーツ歴や転倒歴を「やったかどうか」だけでなく、「怪我はなかったか?」「頭を打っていないか?」「どのように転倒したのか」など、さらに深掘りしてください。特に頭部や鼻の古い外傷は、現在の頭痛や花粉症などと深く関連している可能性が高いです。

また、治療内容を見てみると、多くのカルテで、2行線4穴や肩井といった基本治療のみで終えているケースが見受けられました。患者さんが長年抱える症状(例えば13歳発症の花粉症、5年前からの頭痛、10年前からの股関節痛など)に対し、4穴だけで、たった1回の治療、しかも初診で劇的な変化を出すのは非常に困難です。督脈は「陽の海」とも呼ばれ、生命力(気力)を回復させるには督脈が不可欠です。長年の症状や治りにくい状態の患者さんには、督脈を治療に組み込むことを前提に進めてみてください。

督脈を使用すべき主なケース

経過が長い症状: 数ヶ月〜数年、10年以上続く慢性症状。
難治性の風邪症状: 風邪症状でも2週間以上改善しない場合。
生命力の低下が著しい: 脈拍が遅い(60/分以下)など治りづらい状態。
指標の変化が乏しい: 2行線4穴で指標に変化がない、あるいは変化がわずかな場合。

 

受講生のみなさん、まずは、この督脈まで含めて30分で治療を完結させるというスピードと集中力を意識して日々の臨床を行ってみてください。皆さんの治療レベルは必ず向上すると思います。

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