2025年度 応用1コース日曜クラス 第9回

今回の講習会では、「脊際」と「知熱灸」についての講義と実技がありました。

1.脊際の選択基準と指標について
督脈ではなく「脊際」を選択する最大のポイントは、指標の左右差です。重要な指標に「秩辺」があります。「秩辺」は、正確なツボの位置というより、お尻全体の肉の硬さを診ます。左右を比較し、硬さがある側(患側)の脊際に知熱灸を行います。その他の指標としては、肩甲骨の外縁、肩関節の前後、または脊際そのものの陥凹や突出を指先で探ります。

2.脊際の触り方について
また、積聚治療の脊際は一般的な「外方5分」とは違い、簡単に言うと、棘突起のキワのキワです。棘突起の外縁をイメージし、表面から圧迫した際のわずかな違い(凹凸や弾力)を捉える必要があります。そのため、脊際の触り方は非常に繊細です。触診時の姿勢、指の角度、圧の方向がとても重要になってきます。

3. 知熱灸について
知熱灸の精度も重要です。従来のように1壮ずつ置いて点火するのではなく、4つの艾炷を先に並べてから順に点火します。このリズムとタイミングの変化が、治療効果に大きく影響します。

積聚治療の基本である背部の2行線で変化が不十分な場合、督脈や脊際への補助治療が大きな武器となります。特に知熱灸は、臨床での使用頻度が非常に高いです。まずは数多くの症例に触れ、その効果を実感していきましょう。改善が難しかった症状も、知熱灸を徹底的にやり込むことで変化が出せるようになります。形作りから点火の仕方まで、基本を疎かにしないことが上達の近道です。次回は、いよいよ最終回です!!

タイトルとURLをコピーしました