大阪基礎Ⅰ第3回終了

先週の週末は全日本鍼灸学会の学術大会で大阪にいましたが、なんと来週、再来週と4回続けて日曜は大阪にいます。大変やでー。

さて、脈調整の復習です。

積聚治療では病の原因を『精気の虚(生命力の低下、根元的な冷え』として考えます。

脈調整では、六部定位脈診にて左右寸口部の陰・陽脈の虚実状態を把握します。表現方法として、患者の右手関上部の脈が他の比べて弱い(立ち遅れる)場合、右手関上の陰脈は脾が配当されていることから、脾虚と表現しています。

重要なのはここです。ここで言う(積聚治療で言う)脾虚とは、東洋医学で表現される五蔵六府の脾(蔵)が虚しているという意味ではないということです。

精気が虚したことによって、右手関上部の脈が弱くなているということです。

精気が虚したことによって、肩が上がらない、お腹が痛い、咳がでるなどと同じように、右手関上部の脈が弱い、ということです。

もちろん、脾の経絡や蔵府になんらかの問題がおきていることもあるのでしょうが、それに対しても、脾の経絡や蔵府になんらかの問題がおきた原因は何か?と考えると、『精気の虚』にいきつくのです。また、そう考えようというのが積聚治療です。そう考えたほうが、理論的にも治療的にも良いだろうということです。

混乱を招かない爲の解決策として、寸口部の名称に五蔵六府を使用せず、アルファベットにすることなども考えられますが(A虚とかB実とか)、寸口部で脈も診だしたのも、名称付けたのも、先人がいるのでねー。

と、こんな感じです。これは腹診における積や腹証の表現にも同じことが言えまーす。

次回は背部兪穴治療にいよいよ入ります!

ほいじゃ、おおきに。

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