2012年度応用コース第8回報告

2回目の刺絡実技が終わりました。今回も代用鍼で背部に刺鍼。

刺絡について勉強する場合、昔緑書房より発売され、現在新版が六然社から発売されている刺絡鍼法マニュアルは読んでないと話にならない。刺絡鍼法に対する知識、技術、歴史などが非常にわかりやすく解説されております。

ただし、他の治療法での刺絡鍼法と、積聚治療における刺絡鍼法は、三稜鍼も吸角の取り扱いも違うので、練習が必要です。

よく、井穴刺絡を行う場合、バネ式の三稜鍼を用いず、手打ちの三稜鍼を用いたり、代用鍼を用いる場合は、跳ねるように刺鍼を行う先生もいらっしゃいます。こちらのほうが簡便であったりと、刺絡初学者にも習得しやすかったりするのですが、積聚治療における刺絡はある程度の深度に鍼を刺入しますので、あくまで刺鍼角度は直刺でなければなりません。鍼を垂直に繰り出す為の指の動きが求められます。ちなみに、それに慣れてくると、刺絡の場合にも意識を用いていきます。

今回の8回目は、小林先生への質疑応答から始まり、20分の站樁功、30分ずつお互いに治療、小林先生の刺絡実技を見て、お互い刺絡。でした。刺絡の講義がなかったので、いつもより少し時間が余った(と言っても予定時間は過ぎてます)ので、積聚治療に関するいろんな質問が出ました。その一つを紹介します。

『治療時間が短くなって、患者さんに指摘された。さて、どのようにすれば良いか』

治療の技量が上がること、効果が上がることで、治療時間は短縮されてきます。治療者としては喜ばしいことであるが、患者さんにとっては損をした気分になる方もいらっしゃいます。私が東京に出てきてから、かれこれ10年以上、週に1~2回診させて頂いている患者さんがおりますが、私も最初1時間かけて治療してました。それが現在は15分程度。

よく勉強会で、自分の治らない患者さんをどうすれば治るのかといった類の質問がでます。それに対して先生は答えてくれますが、それで治るかどうかは別の問題です。目の前の患者さんをその時その瞬間に知れるのは自分だけで、どんだけ後から話を聞いても他の人にはわかりません。答えのない質問となってしまいます。もちろん、質問したほうには何らかの満足感があるのはわかるのですが…。

『治療時間が短くなって、患者さんに指摘された。さて、どのようにすれば良いか』

鍼灸師として治療院を開業してきた先生にも同じようなことがあったようですから。本に書かれていない、実際に自分でやってみて初めてぶつかる問題。そんな問題に先輩鍼灸師や先生方は自分の経験をアドバイスしてくれます。

さて、小林先生はこの質問に何と答えたと思いますか?

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