6月22日(日)恵庭えにあすにて基礎1北海道クラス第2回が行われました。
積聚治療は、精気の虚「生命力の低下」に対して治療を行います。たとえば、腰痛という主訴を改善したいとき、患部だけをみて痛みを取るのではなく、その人の体全体をみて、精気の虚を補い、生命力の低下を改善することで、腰痛という主訴を改善していきます。痛みや痺れが主訴の場合は体の変化が分かりやすいですが、自己免疫疾患や内臓疾患など、その場ではすぐに変化がみられにくいものが主訴のケースもたくさんあります。このような場合に、お腹の積が取れて「指標」がどう変化していくかを確認することが、生命力の低下を改善できているかの判断として重要な手掛かりとなっていきます。
第2回目の講義では、この「指標」の見方について学びました。
<治療の手順>
1.主訴の確認
2.脈拍測定
3.下腿の指標の確認
4.腹部接触鍼
5.下腿の指標の変化を確認
6.脈診•脈調整
7.腹診
8.伏臥位で指標の確認
9.背部接触鍼
10.背部治療
11.主訴、腹、脈の変化を確認
12.坐位で肩部治療
仰臥位でみる下腿の指標部位は、大腿骨内側上顆、曲泉、膝関、陰陵泉です。経穴の正確な位置でみるのではなく、経穴の付近を広い範囲で触り、圧痛や硬結を探します。
膝周辺は直立歩行の人間にとって、日常生活で常に重力を受け続けている部位です。体の歪みや生活の影響が現れやすい部位なので、生命力の低下を探る部位として適しています。膝周辺で押して痛いところ、違和感を感じるところを患者と一緒に確認し、それを「指標」として、治療を進めながら指標が変化していくことを確認しましょう。
今回実技では、指標の触れ方と接触鍼や委中刺入の練習も行いました。受講生の皆さんは前回よりも鍼を持つ手や姿勢が安定していて、上達がみられました。皆さんたくさん練習されていると思います。積聚治療は手順を覚えて考え方を理解すると、臨床ですぐに治療ができるようになります。基礎1でしっかり学んでいきましょう。
助手 笹木美南