2023年8月27日に基礎1日曜追加クラスの第5回目の講習会が行われました。
前回の講習会までに①脈拍の確認②膝周りの指標の確認③腹部接触鍼3回④膝の指標の再確認⑤脈診⑥脈調整の指標の確認⑦脈診⑧脈調整の指標の再確認⑧脈診⑨腹診・積の決定 を学びました。
今回の講習会のテーマは「背部治療」です。
背部治療は上記⑨腹診・積の決定後に行う基本治療であり、生命力の低下を回復させる中心的な治療です。背部治療では膀胱経の2行線のツボが用いられる為、この2行線の取穴が生命力を回復する上でとても重要であること、積聚治療で用いる「2行線」は督脈から外方3寸ではなく、脊柱起立筋の外縁に取穴すること、積聚治療ではなぜ膀胱経の2行線に注目されたのかについての説明がありました。
続いて、腹部を5つの五臓の領域に区分したのと同じように、背部も5つの領域に区分することができ、脊柱の棘突起を境に5つの領域に区分されること。
腹診で確認した積の位置に基づいて背中の五行のツボのどれを使用するか、お腹の五行と背中の五行を組み合わさって背部治療を行なっていくことが説明されました。
1回目のデモでは2行線のラインの取り方について学びました。
ラインを取るときの注意すべきポイントとして脊柱起立筋外縁からズレないようにすることでした。この2行線がズレてしまうと取穴もズレてしまうからです。デモの後に受講生同士で2行線にラインを引き、5つの領域に分けられているか高橋先生が一人一人チェックを行っていきました。
講義ではその後、背部の5領域からの取穴部位の選び方、そして治療で使うツボの順番についての説明
背部治療では腹部の積の位置に基づいて4つの領域を選択し順番に鍼をしていくこと。ツボを用いる順番は小林先生が最初に考えたものを第一方式とし、現在では小林先生の経験から4つのパターンがあること。
治療をしていく上で重要な指標である志室穴を確認し、痛みや硬さのない健側の2行線が治療に用いられることについて詳しく説明がありました。
その後、背部の治療をしていく上で次のツボへ移る判断に重要な指標として「志室」「頚部」「肩井」「秩辺」「委中」「委陽」の触り方のデモが行われ、その後受講生同士で各指標の位置や触り方について確認を行いました。
続いて背部治療に用いるツボの取穴の仕方についてデモが行われました。
その後、受講生同士で背部のツボを左右10ヶ所ずつ取穴を行い、高橋先生が一人一人チェックしていき、先生と受講生の取穴した部位の照らし合わせを行いました。
受講生全員が先生と自分とで合っていた部位、違っていた部位を何度も触り比べているのがとても印象的でした。
体格や筋肉の発達具合など人それぞれ異なるため、色んな人の背中で取穴の練習をするといいと先生は仰っていました。
今回の講習会では
・背部治療を行う上で大切な膀胱経2行線の取り方。
・背部の5領域の分け方。
・背部治療を行う上で確認する指標と触れ方
について学びました。
次回の講習会から今回学んだ背部の取穴部位に実際に刺鍼を行なっていく予定です。
今まで学んだ治療手順を忘れてしまっている方は再度復習し、次回の講習会に臨みましょう。