意識について①

忘れると困るので、メモ代わりに書いてみます。

意識が使えるようになると、手が異状に温かくなります。慣れないうちは、自分の手ではないような感覚すら覚えます。意識が発動するようになった手は非常に温かいので、治療の時にいろんな事がわかるようになります。その一つが熱感です。自分の温かさが基準となるので、ただの温かい手ではダメなようです。治療中に身体のあちこちを触診しますが、触れた瞬間に感じるのが熱感であり、緊張や皮膚の状態は次になります。自分の手より熱く感じる状態、冷たく感じる状態は全て異状と言えるでしょう。この状態で患者さんが先生の手が冷たいと感じるようであれば、腹や背は大分陽実が強いことになりますし、温かく感じるようであれば精気の虚を窺うことになります。この手で触れられると、それ自体が治療効果を帯びている為に、患者さんは大変気持ちよく、また、他の言葉で表現されるならば癒されるようになってきます。また、汗の微秒な変化も感じ取れるようになり、治療のタイミングや刺激量のコントロールも容易になります。

以上のことから、現時点で導き出された一つの答えとして、意識を使うという行為は、得てして患者さんの身体を変化させる上級テクニックであるのですが、同時に、患者さんお状態を把握する上級テクニックでもあるのです。つまり、治すことにばかり専念して、患者さんの身体がどのように変化してきたのかという評価を疎かにしては、決して意識は身に付かないと思われます。格闘に例えると最強の攻撃だけを身に付けても同レベルの敵には通用しません。むしろ、勝負は防御力で決まってしまうのです。意識を身に付けたいと思うなら、『しっかり』指標を確認すること。これが最短の道です。