基礎Ⅱ日曜クラス 第5回報告 その1

少し時間が経ってしまいましたが、7月24日(日)基礎Ⅱ日曜コースの5回目が行われました。
今回は「陰の病症のまとめ」の座学と「陰の病症の指標触診まとめ・井穴の灸」の実技でした。
●今回で基礎Ⅱ全10回の半分が終わり、ちょうど中間地点となります。今回は前半のまとめでした。
人体を見ていく時には、ます「上下」という概念でみる癖をつけることが大切でしたね。
上が「陽」、下が「陰」ですので、上半身を「陽」、下半身を「陰」と見ました。
そして、さらに人体を「内外」という概念でみると、皮膚や筋肉等を「陽」、内臓を「陰」とみれましたね。
前半の5回では、下半身の運動器疾患を「陰中の陽」、下半身の内臓器疾患を「陰中の陰」の病症としてみていきました。
これらの病症が成り立ってくるのは、「まず下虚が手足の末端から始まる。これはのぼせに対しての冷えと称しているもので、冷えがのぼせをもたらし徐々にその冷えが上に昇り、さらに症状が悪化すると解釈をする」という事でしたね。
このことは、治療者は指標を見ることで知ることができましたね。具体的には、冷えが、足首→膝→臀部→腰と昇ってくると、足首→膝(委中・委陽・膝関・曲泉)→臀部(腸骨稜)→腰(志室)というようにそれぞれの指標が現れてくることで、どこまで冷えが上がってきているかを知ることができました。様々な指標が出てきましたが、患者さんが陰の病症とわかったら、全ての指標を必ずチェックすることが大切でしたね。
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陰の病症で特に重要な指標は「腸骨稜」でした。この腸骨稜を見ることで、治療の展開や流れを決めることができます。
具体的には、
①基本治療で腸骨稜の指標の変化が主訴と共に全くない場合
②腸骨稜の指標はない場合(基本治療で腸骨稜の指標が取りきれた場合も含む)
③基本治療で腸骨稜の指標に変化がある場合
④基本治療で腸骨稜の指標が十分に変化しても主訴が残る場合
基本治療で腸骨稜の指標が十分に変化しても主訴が変化しない場合
でそれぞれ、治療手段がありましたね。「陰中の陽」の治療手段を基本として、それに数穴加わったのが「陰中の陰」の治療手段でした。
とても大切なところですので、必ず復習をし、臨床を重ねることで、自分の身体に刷り込んでいきましょう。
そして、補助治療を選択する場合に大切なことは、どれか一つやってみて、駄目だとしても、「嗚呼、駄目だった。次回に…」ではなくて、さらにもう一つ二つ試してみることでしたね。その際は、「全体の治療時間」を決めて置き、これを超えないようにすることがポイントでした。
●実技では、陰の病症の全ての指標の触り方を再確認しましたね。指標を圧する方向がポイントでした。これも臨床を重ねることで、覚えていきましょう。
また、井穴のお灸を練習しましたね。選穴のポイントは「他と違うところを選択する」でした。
●講習が終わってみて、今回も非常に内容の濃い一日だったかと思います。
では、次回は9月4日(日)です。
次回も元気にお会いしましょう。
基礎Ⅱ日曜クラス 聴講生 伊賀秀文