基礎壱の講義内容で難しい内容である『精気の虚』。
これは、『生命力の低下』と非東洋医学用語で表現すると、ググッと理解しやすくなる。
日本の東洋医学用語には昔から定義がない。そこに、中医学の用語が入ると余計に混乱する。
五臓も同様。現代医学での、肝臓と、東洋医学(中医学)の肝は違う。
脈調整で手首の各部位に各部位に五臓の表現が使われている。そこに、脈拍の状態を表す東洋医学(中医学)用語として、虚実が使われる。さらに混乱を招く。
積聚治療の立場で脈を理解しよう。五臓の肺が配当されている部位が弱い。あー、肺が弱い。ではない。
「精気の虚により、手首の肺が配当されている部位に異常が現れている」と。そう、脈の異常も原因は『精気の虚』。だから治療は精気の虚を補うこと。
では、脈は何の爲に診るのか。脈診はそれ一つで身体のあらゆる状態を診ることができる、東洋医学を代表する診察法。でも、脈だけで身体のすべてを知るのは難しい。難しいから脈でわかることと、腹でわかることを分てみました。
脈は精気の虚によって人体の動きやすい(浅い・新しい)ところに出現した異常の状態を知り、腹は精気の虚によって人体の動きにくい(深い・古い)異常の状態を知る。
脈は整えようとするのではない。精気の虚を補えば、結果的に整ってくるものなのだワン。