誤解を恐れずに言えば、積聚治療では、主訴は二次的な目標ということになります。
では、一次的な目標は?当然、精気の虚、根元の陰の力であることは、何度もここで話してきた通りです。私達は、全ての治療が、この根元に働きかけるものだと理解しています。見方を変えれば、根元に働きかけること無くして、主訴が、変わることはない。と考えているのです。
これは何も、東洋医学に限ったことではありません。たとえどんなに優れた手術であったとしても、根元に働きかけることができなければ、治癒していくことは、あり得ないのです。そして、残念なことに、その根元の力の生の姿を、私達の仲間内では、誰も見たことがありません。まだ、仲間内にしか聞いていないので、なんとも言えませんが、広い世界です、中には見える、と言う方もいらっしゃるでしょうが、とりあえず、私達は、見ることができません。では、どうやって、その根元を知る、または確信することができるのでしょう。そこで、指標という、便利な物差しが、登場します。この物差しにより、積聚治療は、革新的に飛躍しました。この指標こそ、積聚治療を運用する上での、全てである。と言っても過言ではありません。
私達の全ての判断基準は、指標によるものなのです。そこには、治療の別はありません。どんな治療であっても、指標さえみれば、どのような影響があるのか、手に取るように理解できるのです。それが指標なのです。では、体の中の何処が指標になるのでしょう?
確かに、一般的に言われているツボに近い場所を、指標として利用することが多いのですが、必ずしもツボの位置に取る、という訳でもありません。ちょっと複雑な物言いですが、指標の位置も厳密には、指標による。と言えるのです。今日は、指標を取る上での注意だけしておくことにします。それは、指標はこうだ。という決まった判断基準を作らない。ということです。例えば、指標はコリコリしている。と理解してしまうと、コリコリばかり探すことになります。ここで、必要なことは、まっさらな気持ちで、素直に、先生が触った通りに触ること。ここが一番肝心なところです。自分なりの、ではなく、先生そのままを、まずは、指先に記憶させることから、生きた治療は、身に付いていくのです。
面白いことに、この指標を利用しているのは、私達だけでは、ありません。実は、虫達もちゃっかり利用しています。指標を探っていると、ドンピシャに指標の上に虫刺されがあるのです。先を越されていることに気付かされます。もしかしたら、虫は、あなたを救おうとしているのかも知れません。
今日の基礎集中から