弘法筆を選ばず その5

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鍼ばかりが注目されがちな鍼灸治療ですが、積聚治療ではしっかり灸も使われます。講習会では透熱灸、知熱灸、灸頭鍼が紹介されますが、技量の向上とともに灸頭鍼の使用頻度は少なくなります。ちなみに最近は知熱灸の使用が多いです。それはアメリカでのセミナーの影響も大きいでしょう。アメリカでは治療の前の説明が日本以上に詳しく求められます。灸痕が残ってしまっては訴訟問題にもなりかねませんし、やはり最近の日本と同じで灸痕が残るのは嫌がられます。

東洋の医術は時により、地により、人により変化を求められ、また柔軟に対応できます。積聚治療も小さな工夫がいろいろあり現在のスタイルになってきました。現在当たり前になっている、志室の反応をみて片側の背部を治療するスタイルの前は、背部両側に透熱灸(『霊枢』には背部のツボには灸をする記載があります)の時代もあったんですよ。それが、鍼でも効果がだせることや、片側でも効果が出せることで、現在のスタイルになったのです。

さて、使用する艾は、透熱灸用の上質艾と知熱灸用の粗艾です。写真がそれです。注目は艾ではなく、容器のほうです(笑)。学校で使用されている艾入れより、浅くて大きいです。これは、手を細めなくてもすんなり艾が取れるような工夫から使用されています。しかもこの容器の蓋は、『弘法筆を選ばず その1とその2』の写真で紹介した、鍼や吸角などを並べている皿になるのです!感動。

同じような商品がhttp://www.oyogkn.co.jp/item/st_container/maru2youki.phpにて『ステンレス 丸型 浅容器』として紹介されています。ちなみに太子堂使用のものは内径10㎝です。真似っこしたい方はどうぞ。学ぶとは真似ることなり。