6月4日(土)に第3回基礎1土曜クラスが行われました。
今回は脈診です。
脈診は前回教わった腹部接触鍼の次の段階になります。
積聚治療での脈診は六部定位比較脈診で診ていきます。
六部定位比較脈診では脈の部分に臓腑の名前がついていますが、積聚治療では臓腑機能との関係性は考えず、あくまで寸口、関上、尺中の各部位の場所を表す名前として用います。
例えば、左尺中の陰位の脈が他と比較し弱い場合は、「腎に虚がある」と診ますが、ここで用いられている「腎」は左尺中部の陰位という位置を示す名前として用いられており、五臓の腎との関連性は考えません。
また、脈の診方についていくつか注意すべき点が挙げられました。
・患者に対して無理のない自然な姿勢で診る。
・指尖では診ず、指腹全体で診る。
・示指、中指、薬指の3指をそろえて板状にして全体を圧する。
・脈の深さは肘に近い方が深い。
・左右同時に比較する。
などです。
積聚治療での脈診は、他の部分と比較し異常がある場所がないか診ていきます。
従って、脈が比較出来るよう全部位を均等に圧していくことが大事になるとのことでした。
これらを踏まえ、脈の状態に異常(陽実脈、陽虚脈、陰虚脈、陰実脈)があるか診ていきました。
まずは、脈を見る時の指の当て方を座ったまま確認していきました。
色々な人とペアを組み、脈診の構えをしてみると、体の大きさで指を当てる位置が異なってくるという事が分かったのではないでしょうか。
脈を診た後に行うのが脈調整です。
脈調整では脈の異常の程度が弱い場合は太淵穴を、強い場合は大陵穴を用いるとのことでした。
左右どちらの穴を使うか前腕の指標を確認し、健側に鍼をします。
脈調整で主に用いる指標は、孔最穴付近(腕橈骨筋)や内関穴です。
健側に鍼をするのは、臨床上変化しやすいという点と、患側は指標に使う為との説明がありました。
腹部の接触鍼と脈調整で変化した腹部の指標を聚、変化しなかった指標を積といいます。
積や聚は鍼をすることで変動するもので、術者の技量によっても異なってきます。
どれが積でどれが聚になるかはやってみないと分からないとのことでした。
実技ではまず小幡先生のデモを見て、受講生ひとりひとり脈診の際の先生の指の当て方や圧の強さを実感してもらいました。
受講生のみなさんが全員体感された後、ペアに分かれ実技練習を行っていきました。
指を板のようにして脈に押し当てて診るという動作は、普段なかなか使わない手や指の使い方なので、みなさん最初はなかなか圧をかけづらそうでした。
今回も色々な人の脈を診て慣れる、ということでローテーションでペア以外の人の脈も診ていきました。
人によって脈の状態が違うという事を実感できたのではないでしょうか。
脈診は場所を選ばずできるかと思います。普段から色々な人の脈を診て、全ての指が脈に対して均等に板のように圧がかけられるようになるといいですね。
次回の講習会は6月25日(土)です。少し期間があいてしまいますので、手順等を復習して来られるといいですね。
基礎1土曜日クラス聴講生 片山玲美