少し前になりますが、2016年7月24日 狛江市にある太子堂鍼灸院で5回目の基礎2クラスが開催されました。 講師は高橋大希先生です。
今回は前半の終りということで、陰の病症、陰の中の陽的な病症として下半身の表面的な筋肉の問題をやって、そこから応用で陰の陰の病症である下半身の内臓器のまとめでした。
病の成り立ちは下虚が手足の末端からはじまる。これは逆上せに対して冷えと称しているもので、冷えが逆上せをもたらし、徐々にその冷えが上り症状が悪化する。と考えるのが積聚治療の基本的な病気の見方と言ってよいと思います。
病は基本的に下からはじまりますので上に症状がある時、体の表面の筋肉などの問題より内臓や骨などに問題がある時はその分精気の虚が進んでいてと考えられます。
このように指標を上下、内外、深浅など陰陽で把握することで、精気の虚の程度を知ることが出来ます。
陰の病症(下半身の症状)がある場合は恥骨、椎間、脊際、志室、腸骨稜、仙椎、仙腸関節、委中、委陽、大腿骨内側上果、膝間、曲泉、崑崙、太渓などの指標を基本治療前、治療中の変化をみることで、補助治療を選ぶヒントになります。
この中で志室と腸骨稜がとても重要な指標であり治療点である。と高橋先生は仰っていました。
「基本治療を必ずやる前に全部チェックしてください。基本治療をやりながら指標を確認していくと段々減っていきますので出来るだけ少数に絞ってから透熱灸をします。 陰の病症だなとわかってもこれらの指標を診ないで基本治療を始めてしまうと指標が効果的に使えなくなってしまいます。 基本治療をすることで、これらの指標が変わることによって、患者さんが認識することによって体が変化していきます。基本治療が全部終わった後に「これ痛いですか?」と聞いても遅いです。 鍼灸の不思議なことですけどね。必ず治療前に確認することを忘れないようにしてください。この場合ですと背部の接触鍼、背部兪穴をやる前に確認して下さい。」 講義より
『補助治療は井穴のお灸』
「井穴の選択、お灸も患側にやっていく、ツボがない所もみる。左右の井穴を全部圧痛をみていくのが一番シンプルな方法です。10穴みていきますけども、基本的には爪の触れるところと触れないところの隙間、甘皮かぶっているところの爪が触れるところと触れないところの際、爪の脇の延長線上、同じ圧、鍉鍼で押していくのがわかりやすい。全部痛い人はあんまり痛くないところ、10か所中8か所痛い人は痛くない所、他と違う所、正常であれば痛みはない、痛いってところは異状、全部痛いって時には敏感になってない所、とった方がいいです。小林先生の今までの文献で、痛い所を取りさないって時と、全く痛くない所を取りなさいって書いてあるので、他と比べて異常な所。井穴のお灸は糸状灸、鍉鍼の先っちょより大きくない方がいい、焼き切り。2.3壮やったら、膝を動かしてもらう、3壮やって変化がなかったら他のツボをやるとよいでしょう」 講義より
母指の井穴の位置
第三指の井穴に施灸しているところ
堀部