2025年10月19日(日)最終日
10回目:テーマ「季肋部下縁のツボを使った補助治療」
前回の講習会では、背部の治療(膀胱経2行線)を行った後に、積の変化が不十分な場合に対して四肢のツボを使い、積の変化を確認しました。それでも積が緩解せずに生命力の回復が十分でない場合には、今回のテーマである季肋部下縁のツボを使った補助治療を行います。
季肋部下縁のツボを使った補助治療では、四肢のツボで残った最も顕著な積を確認し、その積の領域に応じて季肋部下縁のツボに刺鍼しながら、1穴ごとに積の変化を確認していきます。積が正中部(心・脾・腎積)の場合には、左右の季肋部下縁の圧痛や反応を比較して、反応が強い側の反対側のツボに刺鍼します。また、積が左右(肝・肺積)の場合には、積と対角にあたる季肋部下縁で最も反応が強い部位の反対側のツボに刺鍼します。季肋部下縁のツボを選穴する際には、上方から下方の順に選穴するように説明がありました。
実習では、先生が季肋部下縁に取穴した部位と反応を受講生が確認していきました。お互いの治療では、基本治療と四肢のツボを使った補助治療に加え、今回のテーマである季肋部下縁のツボを使った補助治療を実践しました。受講生は先生に指導を求めながら脈や積、背部の取穴の確認を積極的に行っており、その姿勢から改めて学ぶ意欲や熱意を感じました。先生の指導を受けながら実践と修正を繰り返すことで技術が向上し、開講当初と比較すると臨床家としての自覚や意識が備わってきたように思います。

最後になりますが、この期間に培った知識や技術は、今後の臨床や学びの場に必ずや活かされていくことは間違いないと思います。今年度からスタートした静岡基礎Ⅰコースも、今回で最終回を迎えました。これまでに皆さんの姿を間近で見てきましたが、成長著しく、目を見張るものがありました。基礎Ⅰコースは今回で終了しましたが、積聚治療の講習会には他にも基礎Ⅱコース、応用コース、さらにセミナーや学術大会等があります。今回を機に是非とも学び続けていただき、積聚治療をより一層深めてほしいと思っております。受講生の皆さん、大変お疲れ様でした。
基礎1コース静岡クラス 助手 白井 雅人
