2015年8月9日 第6回目の北海道基礎1コースの講習会がありました。今年の夏は全国的にそうですが、北海道も例年になく蒸し暑い日々が続いていて、じっとしていても汗がにじんできます。
さて、早くも今回で基礎1の講習も後半です。今日の講習を終えれば、積聚治療の最も基本的な流れを一通り学んだことになります。
本日はまず、肩部への補助治療を学びます。
まずは先生がデモを行います。基本治療を終えた後、まず患者さんに座位になってもらい、皮膚の色や張り、首の傾き、肩の状態などを観察します。それから、左右の肩井周辺に触れ、硬さ、圧痛などを確認し、それが最も強い部位の反対側の同じ位置に鍼をあてます。巨刺で行うのは、背部兪穴と同じですね。鍼をすりおろしながら、指標となる患側の部位を確認していき、左右の差が無くなったところで終了とします。
このときのポイントとしては、患者さんに感覚を尋ねながらやることはもちろんですが、患者さんに言われるままに行うわけではないということです。あくまで施術者が治療を主導していくということですね。そのために、必ず触診を行い、施術者の感覚で指標を把握することが重要である、ということを先生は強調されていましたね。
刺激量は多ければ良いということではなく、最小の量で最大の効果を得るべく行うことが大原則です。そのために、変化を読み取れる「いつも同じ手の形、触れ方、圧のかけ方をすべし」ということ先生はいつも強調されます。よほどこれは重要なことなのでしょう。講習生のみなさん、しっかり覚えておいてくださいね。
さあ、ここまで一通り講義を終えて、いよいよ実習開始です。講習生同士がペアになって、一番最初から今日の肩の補助治療のところまで一気に治療を行いました。まだまだ、わからない部分や不安な気持ちもあるようでしたが、先生のアドバイスを受けながら、全員なんとか最後まで行うことができました。
実習を終えてから、本日最後の講義、再診カルテの記入方について学びました。再診カルテのポイントは、いかに早く、誰が見ても理解できるように書くかということです。気圧を記入する欄があるというのも特徴ですね。気圧が体調の指標となり得るからです。また、病状の欄は患者さんの言葉で書く、ということにも注意が必要です。例えば「頭がズキズキ痛む」と言ったら、そのように書くのが原則です。施術者の勝手な解釈で言葉を変えてはいけないということですね。
再診カルテは記号で記入するため、経穴や経絡の記号を暗記しなくてはなりません。学校ではそこまで覚えさせることはないですから、最初は面食らいますよね。しかし、いったん覚えると大変素早く記入できて、とても便利です。さらに国際標準ですから、海外の鍼灸師とも情報共有できるのですね。積聚治療は近年アメリカでも注目されてきていますから、将来海外で活躍できるチャンスもあるかもしれません。そんな夢も広がりますから、頑張って覚えていきましょう。
講習生のみなさん、雪が降って交通状況が悪くなったりすることもあり、北海道基礎1コースは北海道の秋と同じように、ここからハイスピードで駆け抜けていきます。体調に十分気をつけて、最後まで元気に楽しく受講していきましょう。
(種田)