太極図の源とは、
陰陽論の象徴と言えば、言わずと知れた太極マークですね。どんな人が陰陽を語ろうとしても、この太極の図を、はずことは、まずありません。そして何よりも、陰陽を語るためには、図の名前のように、太極であることこそが、最も重要なことなのです。
以前にもお話しましたが、陰陽と言うのは、太極に当てた、光と影のことです。この世にあるものの、すべてに当たる光が、映し出す世界のことを、表現している言葉なのです。そして、この世にあるものに当てる光は、天からそそがれるのです。
私たち地球上に生きるもの、すべてに天からそそがれる光、そうです、この天とは、太陽のことだったのです。陰陽論は言います。陰陽(光と影)とは、時々刻々と変化すのである。まさに、太陽の光は、移動し、照らし出されるものが、変化し続けます。
人、それぞれの居場所、住む世界によって、光の当たる場が、皆違うのです。それも、決して固定されることはないのです。それが、陰陽の姿なのです。また、陰陽は、太極に当てた光が写し出した、一瞬の姿です。陰陽とは、その瞬間の象徴に過ぎないのです。
元の姿、真の姿を知るためには、太極を見なければ、知ることができません。光の方でも、影の方でも、映し出された半分だけの世界なのです。太極から、陰陽の二つは生まれ、それが四つになり、八つ、十六と、分割していくように思えますが、本当は、
すべて同じもののことを、言っているのです。太極の段階、二の段階、四の段階、すべて太極、一つの話です。光の当て方を細かくして、光と影を細分化したにすぎません。細かくなれば、なるほど、太極と離れていくように思えますが、そうではありません。
どこにいようと、太極なのです。どこにいようとも、天の光は、そそがれているのです。陰陽、太極の意味を求めて、これまでやってきましたが、ここへきて、多くのことがわかってきました。太極の図には、宇宙創成の意味が込められています。
何故それがわかるのか、その答えは、太極を象徴している、渦巻き紋様にあります。宇宙、星、物質、すべての生成に、渦巻きの力、が関わっているからです。ありとあらゆるものに、渦巻きがあるのです。そしてここからが、今回のメイン、
一万数千年の昔、世界の中で真っ先にこのことに、気がついた民族がいます。それが縄文人です。発掘された土器に、渦巻き紋様がくっきりと残っています。そして、この人たちは、それが天からもたらされることを知っていました。
そうです。太極のルーツは、縄文人なのです。そして、この縄文の思想を私たち日本人は、無意識のうちに学んで、自らのものにしているのです。それが、日本人特有の、陰日なたなく、お天道様が見ているから、という意識を形成していたのです。
縄文の時代、天の働きを最大に利用した、完全な循環型社会を作り上げていました。それが一万数千年続いていたのです。ここに学ぶべき多くのことが、あるのではないでしょうか。自然を、コントロールするのは、人間の思い上がりで、幻想に過ぎません。
私たちにできることは、自然の働きの傍らに、寄り添っていくことです。太極を知ること、そこに、すべての答えがあるように思えてなりません。