基礎Ⅰ土曜も九回目。今回は浅い気の調整として知熱灸を、深い気の調整として長鍼を学びました。
知熱灸は、手足の陰面の痛み、打撲部、風邪の時の督脈上に用いられる補助治療です。また基礎二で詳しく勉強していきますが、背部二行線の後の督脈などにもよく用いる治療手段なので、よく練習しておきましょう。知熱灸の特徴は、透熱灸に比べ、体に広く大きな熱量を入れていくことです。均等に硬く作っていくと、ゆっくり燃えていき、熱量もじんわりと入っていきます。一定の熱量を毎回入れることができるように、同じ大きさ、硬さで知熱灸を作れるように練習していきましょう。柔らかい面ができてしまうとその面だけ山火事のように燃えてしまい、期待した部位全体に熱が入らなくなってしまいます。手汗が出てもぐさがくっついてもじもじーっとしてしまう場合は、あまり知熱灸の面を転がさずに作っていきましょう。
長鍼は、深い気を動かす治療法の一つです。たとえば、坐骨神経痛などの患者さんで、基本治療だけで取りきれない場合、殿部に長鍼をすることを考えていきましょう。長鍼は押手が何よりも大事です。特に殿部はお肉があるため、しっかり上下圧を加えて、でも鍼が入っていくように左右圧は強すぎずにゆっくりと鍼をしていきましょう。(鍼がなじむように少しずつゆっくりと鍼をしていく、というのは、委中の刺鍼でも大事ですね。)
実技では、お互いに長鍼と知熱灸を体験しあいました。長鍼では、実際、足先までしびれていたSさん(受講生)への殿部刺鍼で、みごと痺れが消失!!ということもありました。すごい!なかなか入らなかった方も、練習したら絶対入るようになりますから頑張ってくださいね。無理のない姿勢で、手を安定させながら刺鍼していきましょう。また、知熱灸は、先生が作った知熱灸、施術者役の方が作った知熱灸、患者役の方が作った知熱灸とそれぞれ三壮の知熱灸を体験してもらいました。熱量の違い、熱の入り方の違いなどを感じられたと思います。知熱灸も作れば作るほど上手になるので、いっぱいいっぱい作っていきましょう。
次回は皮内鍼と灸頭鍼の予定です。