『老子』 その2

この間の書き下し文を意訳してみました。

 

 

 

一番の美さを知っているのは醜いものだけである。

 一番の善いことを知っているのは悪人だけである。

 

 

だから・・・

 

「有る」と思うことと「無い」と思うことは比較することで理解できる。

 

「難しい」と感じることと「簡単」だと感じることは比較することで成り立っている。

 

「長い」物と「短い」物は比較することで形として現れる。

 

「高い所」と「低い所」を区別し、比較することで傾きがうまれる。

 

「音」と「声」を区別することで調和を知ることが出来る。

 

「前」と「後ろ」を区別することでどちらかに随おうとする。

 

 

このことから・・・

 

聖人は「何もしない」境地に達していて、ことばで伝えると物事を区別してしまうことを知っているから「不言の教え」を行う。

 

萬物はただそこに存在するだけで、ことばを何も話さない。

 

火山の噴火で山が出来ても「山が出来た!」と思わない。

 

太陽が草花を照らし育てても「育った!」とも思わない。

 

何か一生懸命努力をして成功しても、誇りにすることはない。

 

それは謙虚で誇らないのではなく、ただ行うのみである。

 

 

 

解説はまた来週・・・・。