この間の書き下し文を意訳してみました。
一番の美さを知っているのは醜いものだけである。
一番の善いことを知っているのは悪人だけである。
だから・・・
「有る」と思うことと「無い」と思うことは比較することで理解できる。
「難しい」と感じることと「簡単」だと感じることは比較することで成り立っている。
「長い」物と「短い」物は比較することで形として現れる。
「高い所」と「低い所」を区別し、比較することで傾きがうまれる。
「音」と「声」を区別することで調和を知ることが出来る。
「前」と「後ろ」を区別することでどちらかに随おうとする。
このことから・・・
聖人は「何もしない」境地に達していて、ことばで伝えると物事を区別してしまうことを知っているから「不言の教え」を行う。
萬物はただそこに存在するだけで、ことばを何も話さない。
火山の噴火で山が出来ても「山が出来た!」と思わない。
太陽が草花を照らし育てても「育った!」とも思わない。
何か一生懸命努力をして成功しても、誇りにすることはない。
それは謙虚で誇らないのではなく、ただ行うのみである。
解説はまた来週・・・・。