6月8日(日)に3回目の講習会が行われました。
今回は「脈診と脈調整の理論と実技」がテーマになります。
積聚治療における脈診・脈調整は、前回の講義で学んだ最表層の気に対して行う腹部接触鍼よりも深い気に対して行うものとして位置付けられています。
最初は脈診の基礎について、テキストの順に講義が進められました。
脈診は六部定位脈診を用いて、腹部接触鍼で動いたあとの気の状態を確認していきます。六部定位脈診の指の当て方では、特に薬指の圧が弱くなる傾向があるので意識するよう説明がありました。
続いて、陽脈(陽脈の実、虚)・中脈・陰脈(陰脈の実、虚)・平脈・反関の脈についての説明後、脈調整の講義に入っていきました。
脈調整は、生命力の回復を目的に行う行為であり、その治療が全身に影響を及ぼすことを理解しておくことが大切だと説明がありました。その後、脈診で確認した陰脈の虚の数から太淵穴もしくは大陵穴のどちらかを選穴し、左右孔最穴の指標を比較して、健側の治療穴に取穴するまでの手順について説明がありました。
デモンストレーションでは、下腿の指標確認→腹部接触鍼→下腿の指標再確認→脈診→指標の確認(孔最穴)→脈調整→脈と指標の再確認を見学しました。安定した姿勢で脈診をするには手の操作だけでなく、足の位置や体の向きにも注意することが大切だと説明がありました。その後、見学した一連の治療手順を受講生同士で実践しましたが、何度も脈診の手の構えを修正しながら、指に感覚を覚えるように取り組んでいました。特に、陰脈の虚の診方が難しく感じていたようです。

最後に委中穴への刺入練習を行いましたが、回を重ねるごとに押手や刺手に安定感が増してきたのではないかと思います。各自、刺鍼練習を行っているとのことでしたので、その姿勢を大切に積み重ねてほしいと思います。
次回の講習会は6月22日(日)です。次回は腹診に入っていきます。腹部接触鍼、脈調整の刺激が腹診にも影響しますので、引き続き今日までの内容を復習しておいてください。