こんにちは。基礎Ⅰ日曜コースの講師及び助手をさせて頂いております伊賀秀文です。
6月2日(日)に基礎Ⅰ日曜コースの第3回目の講習会が行われました。
●早速、講義内容を復習していきましょう。
・このブログは、積聚治療を学ぶ上でも参考になるので、過去のブログを含めてみてみましょ
う。
・積聚治療を学ぶ上で「生命力の低下」、「指標」がキーワードでした。
・「指標」を触る際、術者が”あたり”をつけた部位を患者さんに聞いても、異常を感じない
と言った場合、その人が指標の異常を感じられない位に、生命力が低下していることもある。
その場合は、治療を進めていくと異常を感じられる様に変化していく。患者さんが感じられな
いことも指標になる。
●「積聚」と「陰陽」について
・「積」、「聚」は難行に出てくる腹部の異常を表す言葉。
・「積」や「聚」には東洋的な意味を持つ言葉で、簡素に説明すると「聚」は浅い気(ふわふ
わと集まってきたイメージ)、「積」は深い気(積まれているイメージ)。
・東洋的な考えで観てみると、浅い→動きやすい。深い→動きにくい。
・積聚治療では、浅い気(聚)に行う治療が、腹部接触鍼と脈調整。例えるなら、物がたくさ
ん載っている机を動かしたい場合、机の上に載っている軽いものを片付けてから、机自体を動
かす。その場合の、机の上の軽いものが浅い気に相当する。
・最初、お腹には、積も聚も混在している。腹部接触鍼と脈調整を行うと聚が取れ、積のみが
残る。この積がその人の状態の本質を現していると考える。また、腹部接触鍼と脈調整で変わ
った指標は、浅い状態の異常を反映していた指標と言えるし、変化が無かった指標は、深い状
態の異常が反映している指標だと言える。
・積聚治療での陰・陽は比較する際の分類方法だと思って欲しい。浅い、表面、上→陽、深い
、内側、下→陰をイメージして欲しい。
●脈の調整について(テキストP30、P32、P34)
・世の中の脈診には色々な脈の見方があり、大きく分けると脈状診と比較脈診がある。
・積聚治療では、基本的には比較脈診の六部定位脈診で診ていく。
・脈を診る際は、PIP関節及びDIP関節を伸ばしたまま、指の腹で押しつぶすように診ていく。
・脈には深さがあり、皮膚とかに近い浅い脈を「陽脈」、骨とかに近い深い脈を「陰脈」とい
う。陰脈でも陽脈でもない中央の脈を「中脈」という。
・基礎Ⅰでは骨に近い部分の脈がどうなっているかの比較である「陰脈」と皮膚に近い部分の
脈がどうなっているかの比較である「陽脈」を診ていきます。
・陰脈は、示指、中指、薬指の3指で、脈を感じなくなるまで骨まで潰した後に、ゆっくりと
指を浮かした時にどれだけ脈が戻ってくるかを診る。
・生命力が低下している人は、指を上げてもなかなか戻ってこない。元気な人は指を上げると
すぐに戻ってくる。これを六ヶ所同時に診ていき、何箇所戻ってこないかを診て欲しい。この
戻りにくい個数が多ければ多いほど生命力は低下している。
・また、生命力が低下してくると脈が浮いてくるときもある。示指、中指、薬指の3指を軽く
皮膚に触れて、感じる場合は脈が浮いている。
・P34のように、陰脈も陽脈も3段階の評価がある。
・P35のように、脈調整の選穴は、脈会であり肺の原穴の「太淵」と、心包の原穴である「大陵 」を用いる。この2穴に至った経緯は東洋医学講座の10巻や積聚治療の本に書いてある。この2穴は手首にあるので、足元まで行かなくても治療できるので治療の流れとしてシンプルになる。
・陰虚脈が2箇所までのときは「太淵」。
・陰虚脈が3箇所以上、または、陽脈が触れる場合は「大陵」。
●今回もとても内容が濃かったので、しっかりと復習および練習をしましょう。
●次回、第4回目は6月15日午前9時~です。
また元気にお会いしましょう。
講師・助手 伊賀秀文