2024年7月14日に基礎I日曜コースの第5回の講習会が行われました。
今回のテーマは背部治療になります。
講義ではまず背部治療は生命力の低下を回復させる中心的な治療であると説明がされました。
前回の講義で、積聚治療では腹部を『難経』を参考に5つに区分し、それぞれに五蔵に当てはめているが、背部にもは五臓の兪穴があり、これにより5つの領域の横区分ができること、そして、その区分は、椎骨の椎骨の棘突起先端をもって分けると説明がありました。
また背部には督脈、脊際線、膀胱経1行線、膀胱経2行線の4つの縦の区分線があり、このうち膀胱経2行線は脊柱起立筋の外縁とし、これを基本治療の背部治療で使うと説明がありました。
積聚治療ではこのように骨や筋肉を用いて区分をする事が多く、人によって大きく違いがあることから、いろんな人の体を触り練習する事が重要だと手塚先生は述べていました。
その後、背部の区分分けのデモでは患者役の身体にペンを使い、実際の方法について説明がされ、5つのの横区分の境となる棘突起の先端や、縦区分の膀胱経2行線となる脊柱起立筋の外縁をどう探すのかについて細かく説明がされました。
その後受講生がペアとなりお互いの背部で区分分けをしていき、5つの区分分けと2行線となる脊柱起立筋外縁の線を引いた後に、手塚先生の確認を受けていました。
この後休憩を挟み、背部治療の鍼をする場所や順番の決め方、区分した5領域からのツボの探し方、背部で用いる指標の説明がありました。
背部治療では区分けされた5つのうち4つの領域を使い順番に鍼をしていきますが、どのようにして4つの領域を選ぶか、またその順番をどのように決めるかについては五行の相生・相剋関係に基づくこと、このうち相生関係は『難経』六十九難に基づいていることを五行の相関関係の図を使い説明がされました。
この内容については東洋医学概論を学び始めた方には少し難しいとは思いますが、手塚先生が説明したように、2番目にくるものがお腹の積と同じ五行になっていること、そして1番目が2番目の母にあたる五行になること、さらに3番目と4番目はこの1番目と2番目のそれぞれの相剋関係にあたる五行となることを覚えておけば、わかりやすくなると思います。
この後デモが行われ、背部治療の際の指標の確認、背部接触鍼、患側・健側の決定方法、取穴方法、背部治療の手順、治療後の指標の再確認についてが順番に解説が行われました。
この際に、背部治療では鍼のすりおろす回数を自分の中で決めて指標を診るクセ付けする事が大切であると説明されました。
デモの後は受講生同士の実技練習になります。先ずは腹診をして積をみつけ、患側健側の確認、そして今回は背部の2行線上のツボを患側健側に拘らずに左右10穴を取穴し、手塚先生に取穴の確認をしてもらいました。その後、健側に第1方式の手順で指標を確認しながら実際に4穴に背部治療していきました。
今回の講習会はここまでです。
積聚治療の実技の上達のためには自分が診ているものが正しいか否かを先生に確認してもらい照らし合わせる事が重要だと思います。講習会などでは積極的に先生に確認してもらい技術を高めていきましょう。
次回は基本治療の最後となる座位での治療になります。
助手 川浦 渉太