2024年度 応用1コース(第7回)

 前回の続きで不内外因についての講義をしました。今回は労働・咬傷・毒についてです。

労働(仕事)の問題はストレスのことで内因に帰着します。労働で問題になるのが質と量です。どんな仕事をしていてもストレスが無いわけではないが、それが精気の虚に影響を及ぼしているのか見極めが必要です。

 咬傷・毒は動物などの咬み傷、虫・爬虫類などの毒・金属アレルギーや化学物質などがある。咬傷・毒に関しては補助治療として外傷への処置が必要になる場合があります。補助治療としては原則刺絡を行います。毒を外に出してあげることは、生命力の低下を起こさせない重要な行為ととらえています。

 感染症(インフルエンザ、結核、性病、エイズなど)も発病するということは、そのヒト自体のの生命力の低下に起因すると考えるので、インフルエンザなどの背景にも生命力の低下(精気の虚)が存在すると考えます。

 外傷・事故(外科手術、交通事故、打撲)は組織の損傷修復には膨大な気力の消耗を強いられる結果、別の症状を生むことになります。

 首に影響が及んでいない場合で外傷を受けた箇所が陽面ならば打った場所に刺絡をします。外傷を受けた箇所が陰面の場合や新しい手術痕に関しては知熱灸、を行います。古い手術痕は透熱灸・知熱灸も含め補助治療を選択していきます。

 最後に歯の状態は体力と関係します。問診では歯科通院の有無、虫歯、差し歯、歯槽膿漏、矯正、顎関節症などを確認する。体が疲れれば歯(歯茎)が痛むという歯痛の背景には、生命力の低下(精気の虚)があります。

 抜歯は外傷の一種と考え、抜歯後には精気の虚が強く起こるし、歯列矯正は全身に影響が出ます。その症状は実症状として出やすいです。歯列矯正・顎関節症がある場合は後下関の反応を確認します。

 実技では、今回も初心カルテの取り方&基本治療を治療時間60分の中で行いました。問診に関しては情報量が多いですが、生命力の低下(精気の虚)の原因を突き止める重要な情報になるので一つ一つ整理し、しっかりと理解してもらえたら良いかと思います。

次回の講習会は、10/28(月)です。