実際に体にふれられると、なおよくわかります。研修が最終段階に近付いてくると、一人の研修生が指導役になって、他の研修生の取穴や指標の確認をしてもらいます。今日もそんな練習をしながら、指導役の研修生の進歩を、文字どおり肌で感じました。そこで、こんなことを思い出しました。陸上競技にマイルレースと呼ばれる1600メートル競争がありますが、長い間人類は、このマイルレースで4分を切ることが出来ませんでした。当時の医学者は、人がこの距離を4分で走ると、内臓破裂を起こして死亡してしまうという予測までたてられていました。そう信じられていたのです。それが常識でした。ところが、あるとき、この4分の壁を破る選手がでました。すると、後から次々に4分を破る選手が出てきて、現在では、当たり前の記録になっています。そう、常識は、変わるのです。以前、積聚治療は、小林先生しかできない治療であると思われていました。いいえ、今でもそれが鍼灸という世界の常識、なのかもしれません。ただし、それは誰かが、4分を切る前の常識です。4分の壁を越えた人達が出てきているのです。それ以前と、それ以後では、まるで違います。積聚治療は、明らかに、きちんと教われば、誰でも出来るようになる治療なのです。誰でも、小林先生が見ていた世界を、のぞくことができるのです。研修生の進歩の早さに、常識が変化しつつあることを、実感しています。当たり前のように、次々に壁を越えていくのが、間違いのない常識となるでしょう。ちなみに、小林先生が、現在、何分で走っているのか、 想像もできませんが、少なくとも倍の早さの2分を切っているのは間違いないです。いえいえ、1分は、とうに切っているのかも。いやあ、そんな早く走ったら、一般人は、内臓破裂です。常識に囚われてます。
今日の臨床研修から。