基礎集中・臨床研修講座

ある程度、治療の流れを押さえることができたら、次は、とにかく実際に治療をしてみることです。
頭の中で、分かったことでも、治療をしてみると、理解が不十分な、曖昧な 箇所に突き当たることが、よくあります。
そんな時は、先生に聞いてしまえば、わけない事なのですが、その前に、まずは、テキストを自分で、あたってみるといいでしょう。

積聚治療は、取穴の仕方などから、一見、個人の裁量に任される部分がとても多い、感覚的な治療だと思われているようですが、基本的には、太極と陰陽の原則に基づいた、例外をつくらない、とてもシステマティックな治療、であると言えます。
確かに、ある程度の指頭感覚は、要求されますが、それでも、常識の範囲を越えるような感覚を意味するものではありません。ごく普通の誰でも持ち合わせている感覚のことです。

治療で迷ったら、繰返しますが、とにかく、講座で教わってきた原則に帰ることです。

積聚治療は、初めに教わる太極の話から、各治療の手順まで、全てが層構造を成すように、有機的に繋がっていて、それぞれがバラバラに成立しているわけではないので、常に原則に立ち返る、という姿勢で望めば、自力で問題を解消することができるようになっています。

それが、重要なのです。いつも、先生にアドバイスしてもらえるわけではありません。実際の臨床で、自力で問題を解消するためにも、そうした、思考のクセをつけるようにしていくと、とても役に立ちます。

根元に向かって治療をすること。この原則を忘れないようにしましょう。

今のところ、この治療は、残念ながらそれほどの知名度が、あるわけではありません。むしろ、一般の方達は、鍼灸と言えば、別の治療を思い浮かべるでしょう。しかし、この事は、必ずしも未来永劫にまで続く、確定されたものであると、決めつけ、信念をぐらつかせるようなものでもありません。

事態は、単純な話です。ただ、こんな風に、鍼灸が使えて、効果が出るとは、知られていないだけなのです。

ここからは、私達、先を行くものの仕事ですが、もっと、知らしめる活動を、すれば良いだけなのです。それも、一般の方達に。

ある時点で、事態は一変すると思います。
十数年前、日本の鍼灸の世界で、易、などというと、誰からも相手にされない、そんな雰囲気でした。ところがどうでしょう、今、多くの鍼灸の先生方が、易の重要性を説いています。

状況は、変わるのです。

将来、こちらが主流になったときに、慌てないように、しっかり準備しておくことが、肝心です。

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