つい先日行われた、積聚会のセミナーで、気づいたことがあります。
それは臨床研修生の実技を、大会場で比較しながら見てみると、際立ってしっかりした実技をすることができているということです。
具体的には、指標の取り方から始まり、汗ふきタオルの置き場一つまで、おろそかにせず、患者さんのことを考えて、手順を進める、そんな配慮が見える実技をしていました。
毎週毎週、開業鍼灸師には、何が必要なのか考え、徹底して訓練を積んでいる結果が、そこに出ていたように思えます。
また臨床研修の修了生達は、指標を取る手が講師のそれにそっくりだと言われました。
私が師匠を真似、それをまた研修生が真似、身に付けていくことで、技術が伝承されていくということなのでしょう。
研修生本人達は、普段他と比較できないので、実感がわかないでしょうが、こうした臨床訓練を受けたか受けてないかは、傍から見れば明らかなのです。
細部にわたる気配り力こそが、臨床力となるのです。
今回のセミナーで、積聚治療は、また新なステージへと進みました。
治療が完成されて、立ち止まる、ということは有り得ないのです。
手順を覚えたことで、積聚治療をマスターしたことには、もちろんなりません。そういう意味でも、常に確認する姿勢が、必要です。研修生達は、耳にタコができるほど確認するように言われているので、その点よく確認して、質問していたようでした。
質問をして、指摘を受けることは、誰にとっても、とても勇気のいることです。しかし、自分だけでわかった気になって、真の自らの姿から目をそらしていては、とても人を救う治療には、到達できません。
こうした作業を丁寧に、繰り返し行うことしか、上達する方法はないのです。
研修生にいつも話します。講習会で治療のできるアピールをしても、一文の得にもならない、むしろ、わからないアピールをしておけ。
多くのことを得るためには、まずは自らを空にすること、とても必要なことです。
今日の臨床研修講座より