肝積肝虚証と肺積肺虚証

無事終了した一泊研修会。『触れる』がここ最近の一泊研修のテーマになっているが、先の報告にもあるように、『指間穴』の補助治療が主な内容でした。

指間である水かきは英語では『web』といわれます。一般にはwebというと、インターネットで標準的に用いられるドキュメントシステムのことを言いますが、この単語が普及したのはどうやら1990年以降らしいので、『みずかき』の意味のほうが古いと思われます。会長も言ってましたが、何故にwebなのか…。英単語の不思議です。知っている方は教えて下さい(笑)

さて、今回の研修会では、ある重大発表がありました。そうです、肝積肝虚証と肺積肺虚証です!

積聚治療ができあがった当時、『精気の虚』という概念は現在ほど完成されたものではなく、東洋医学講座第10巻などでは、『陰虚』の名前で表現されていました。そこで、腹部に見られる痛み、硬さ、拍動などの、『実』性の反応である『積』のできる背景には 『虚(陰虚)』が存在し、この陰虚を補うことで腹部の積や主訴が改善されるということが理論化されていました。左右の積である、肝積と肺積は、その原因である『虚(陰)』を左右の『陰陽』で理論化しているので、腹の左(肝の領域)に積(実)があるということは、右(肺の領域)が虚していると考えて、肝積肺虚証という腹証になっていたのです。

積聚治療は、臨床の事実を理論化していた為に、それで、臨床的に問題が無かった為にこれまで採用されてきたわけです。しかし、それが積聚会創立31年目にしてその理論の一部が変更になったのです。 『積』という『実』性の反応も、その他の実性および虚性の反応も、全て『指標』と表現して、これらの指標は『絶対的な陽(積や指標などの狭義の虚実を含む)』として、それらが出現する背景、原因に『絶対的な陰』である『精気の虚』を置いたというわけです。つまり、理論面での矛盾は全く無く、より洗練されたというか深まった感じなわけですが、残された問題は、実際に肝積の場合に肝虚証で治療して問題無いのか、肺積の場合に肺虚証で治療して問題ないのか、ということでした。

そこで、太子堂に出入りしている役員数名で、実際の臨床を通して試した結果、問題なかったというわけです。それは会長も講義の中でお知らせしてましたね。と、言うわけで、是非会員の皆様も臨床でその効果を実践してみて下さーい!

※一泊研修会の集合写真が欲しい方は下の写真をコピーして下さいな。リサイズしていますので、大きいサイズでどうしても欲しいという方は、事務局まで必ずメールにてご連絡下さい。

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