梅雨が明けた様な晴天のなか、2週連続での講習会でしたが、
開始10分前には全員揃っているという気合の入った雰囲気でした。
今回は『腹証に従った背部兪穴治療』の座学と実技でした。
●まずは、前回までの復習からスタート。。全ての指標の中で最も重要視する腹部の異常を『積(しゃく)』と『聚(じゅ)』といいました。
※皆さんこの『聚』をパソコンで書くときにお困りでないですか^^?
『じゅらく』で検索すると出てきますよ。小林会長と雑談している時に教わりました。※聚:[音:しゅう] 多くのものを一所に集める。家の集まったところ(参考:デジタル大辞泉)※聚楽第:安土桃山時代、山城国京都の内野(現在の京都府京都市上京区)に豊臣秀吉が建てた政庁兼邸宅。私は日本史に疎いので、調べるまで知りませんでしたが。。。
本題に戻りまして。。
『積』は陰的であり、動きにくい。『聚』は陽的であり、動きやすい。腹部接触鍼と脈調整までで消えたモノを『聚』といいました。
『証』の決定の優先順位は自覚痛>圧痛>不快感>牢積(硬さ)>動積(拍動)でしたね。
●前半の講義では、腹部の五行区分、背部の五行区分について学びました。
腹部の五行区分については、お腹の区分が書かれた実技練習記録表を参考にしながら、その区分を再度確認しつつ、カルテではどのような記号で記載するのかを学びました。
縦方向の『15』と季肋部は『H:Hypochondrium』同じ高さなので、縦方向の『15』はCVしかないところが注意です。
横山先生は陰陽観で身体をみる事について、陰主陽従の考えにより、より陰的な方をへ指標を求めるということを強調されていました。
頭と足では、頭が陽的、足が陰的なので、同程度の指標であれば、下の方の指標をとるという事でした。
例えばHT証とSP証の場合、より下のSP証を腹証とすることでしたね。
また、積聚治療の基本治療は背部の膀胱二行線を使う理由についても陰主陽従の考えを基にお話しされていました。
任脈は陰脈の海なので陰の極、督脈は陽の海なので陽の極です。 体を水平方向に輪切りにして頭の方から観察する場合、膀胱二行線は膀胱一行線より、より任脈に近いですよね。つまり、より膀胱二行線の方がより陰的ということですね。
(時計の針で例えてみると、任脈を12時、督脈を6時とすると膀胱一行線は5時と7時、膀胱二行線は4時と8時という配置になりますが、4時の位置は、5時の位置より12時に近いですよね。)
そして、積は最初は左肓兪から起こると言われていて、臨床で治療を進めていくと、左肓兪の方向に積が移動してくる傾向があると話されていました。
背部の五行区分についての話では、小林会長が、お腹が五行区分されているのを基に、背部の経穴の配置を眺めてて区分できるという発想に至った。そして、難行六十九難に基づいて、背部を刺激したら背部の積を消去できたということを話されていましたね。
その時の小林会長の事を思うと、その時の興奮が伝わってくる思いが私にはしました。
そして、実際の治療では、まずは証の母にあたる区分を刺激した後に、証の区分を刺激し、証の母を剋する区分を刺激した後に、証を剋する区分を刺激することを学びました。
五行相関図を頭に浮かべて、①一個前、②自分、③一個飛ばしの次、④その次 の順番で刺激でしたね。また、背部のとても重要な指標が『志室』です。『志室』は背中の経穴で最も陰的となる外側で下方にあります。
●後半のデモと実技では、
背中の五行区分の境目となるライン(T1、T4、T7、T11,L2の水平線)と膀胱二行線(脊柱起立筋外縁)の取り方、そして、背部の五行区分で使用する場所について学びました。、
実際にやってみると、すごく難しいですよね。。。
それぞれの区分について、金:肩甲骨上角の高さで凹の部分、火・木:肋骨角が浮いている部分と同じ高さの膀胱二行線、土:十二浮遊肋と起立筋でできる角の凹み、水:志室の反対側で最も凹んでいる部分 でしたね。
実技は、足回り指標確認→腹部接触鍼→足回り指標再確認(効果がでていると実感!)→脈診→脈調整→腹診→背部指標確認(頸椎二番横突起付近、肩井、志室、委中)→背部接触鍼→背部指標再確認→取穴(背部区分→二行線→取穴)という流れで練習をしました。
●今回は非常に内容の濃い一日だったかと思います。
練習相手を探して、今回の一連の実技の流れで練習してみましょう。
では、次回は7月26日です。
講習会後は、懇親会もあります。私も楽しみです。
次回も元気にお会いしましょう。
基礎1東京日曜クラス 聴講助手 伊賀秀文