2012年度応用コース第4回報告

4回目の応用コースのテーマは「指標」でした。積聚治療の特徴の中で、他の治療と比較して単純に凄いと思うのが、この指標という考え方です。精気の虚という概念がない他の治療法から見ても得るものが多いと思います。と、普通に指標のことを書いてもつまらないので、前回の意識に絡めて書いてみましょう。

指標を触ることが、実は意識を使う為に必要な最も基本的ことを無意識に行っています。つまり、指標をしっかり触らない人は、意識を使えるようになりません。不問診じゃないですけど、触らなくても患者さんの体のことがわかるというのは、患者情報を入手するということ(四診)においては問題無いのですが、患者の体を変化させる(治療)ということにおいてはマイナスでしかありません。意識が使えるようになってくると、まー、なんというか気?みたいなものを患者さんに送れるようになります。しかし、それには患者さんに触れるという行為、指標の確認ということをしっかりやってきた人でないと難しいところがあるのです。つまり、意識を使うということは、指標の確認において、①患者の意識を呼び寄せる=触れることが治療につながる、②術者の意識を投入させる、ということになるのです。しっかり指標を確認できると、その指標に患者さんの意識が行き、術者の意識も投入しやすくなり、治療効果が大幅に増します。②の意識の投入というのは患者さんの指標を、例えば解剖学的にしっかり把握すること、再現性をもって何度も触れることと同じ意味になります。で、それが技術として身に付いた人が、そこ気?を送れると、治療効果はさらに倍!となるわけです。

何度も言いますが、目に見える技術を身に付けないと、見えない技術は身に付きません。積聚治療を学ぶ過程において、指標の数はどんどん増えていきます。それらの指標を患者さんの状態において選択し、触れて、情報を得るということが当たり前にできないと、意識を本当に使いこなせるようにはなりません。一泊研修会などでは、会長が発見した新しい指標が公開されることがあります。今まで触ってこなかった部位が一つ増えたら、私だってその指標の確認は初心者ですので、触れるように工夫します。それこそ、どんな患者さんでも、必要なくても触っていきます。そうして、本当に必要な患者さんの時に、問題なく使えるようになるのです。知っているかいないかの問題ではなく、出来るか出来ないかの問題。そしてそれは、やってきたかきてないかの問題だけなのです。治療において指標を確認する。積聚治療において当たり前なその行動をちゃんとやっているかいないか、それが意識を使えるようになる為の近道なのです。

※文中の①②は講義中に先生が板書した内容です。

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