こんにちは。基礎2コース東京土曜クラス助手の片山です。
6/30(土)第4回講習会が行われました。
前回まで運動器疾患を中心に説明がありましたが、今回は内科疾患の診方を行いました。
前回までは上・下の問題だったのですが、それに加えて今回はさらに浅い・深いによる診方の説明がありました。
浮腫みは下肢の問題であるものの、運動器系の疾患ではなくより深い冷えの状態であり、強い冷えがあると考えてもらいたいとのことでした。浮腫みの有無は重要な指標になるそうです。
運動器疾患は陰中の陽(浅)と捉えるのに対し、内科疾患は陰中の陰(深)と捉えることができます。
精気の虚が強いほど、鍼ではなく灸を選択します。
内科疾患の補助治療としては前回までの陰虚の補助治療に加えて
照海
腎兪・志室
鳩杞
水分・関元・中極
などを用いてます。
今は分かりやすいように運動器疾患と内科疾患に分けて考えていますが、慣れてくると症状ではなく精気の虚の程度で身体を診られるようになると良いとのことでした。
内科疾患の時によく使われる穴について説明がありました。
失眠は不眠によく使われる穴です。
不眠とは頭の問題、つまり冷えが頭の方まで行ってしまった時、強い精気の虚、陰の病症に効果がある穴です。
失眠と並び女膝も同じような効果があるようです。
透熱灸を行っていきます。施灸の壮数は指標の変化で判断していきます。
腎兪・志室は灸頭鍼・透熱灸を両側に行います。
透熱灸をする際は反応がある場所まで指で圧迫してあげると艾炷と反応部位の距離が近くなり壮数が少なくてすむようです。
鳩杞は尿道・膀胱・肛門など陰中の陰に症状がある際とても効果がある。鳩杞はS1とS2の間にある奇穴です。
背部で精気の虚の状態が補いきれない場合、下腹部の穴を用います。
軽い症状は毫鍼、やや重い症状は知熱灸、重い症状は透熱灸を選択していきます。
補助治療の際気をつけなくてはいけないのが、治療時間は伸びないようにするということです。一定の治療時間内で基本治療と補助治療を行っていきます。なので常に先を見据えて治療に余裕をもって組み立てていかなくてはどんどん治療時間が伸びてしまいます。
実技では陰の病症の指標を診ながら基本治療を行い、補助治療として灸頭鍼を行いました。
今回指標として照海、失眠、女膝の取穴の指導がありました。
失眠は中の骨を意識しながら踵の中心辺りに取穴します。
女膝はアキレス腱と踵の移行部に取穴します。
灸頭鍼のやり方は10巻に記載されています。そのやり方で今回は行っていきました。
今回は鍼は1寸6分ー5番鍼、艾はウチダ和漢薬の禄を使いました。
艾球は2〜3センチになるよう表面がなめらかになるぐらいに軽くまとめてから半分に割り、底面の位置をセットしてから鍼柄がでないよう上面をしっかり固めていきます。
まずはそれぞれスポンジで練習してからお互いの腰殿部に灸頭鍼をしていきました。
灸頭鍼は見ているだけでも気持ちよさそうなのが伝わってきました。また受講生のみなさんも指標の変化が実感されていました。
今回は欠席の方がいたのでマンツーマンで細かく実技をチェックしてもらっていました。
受講生のみなさんは大分基本治療がスムーズに出来るようになっていました。
次回の講習は7月21日です。
急に暑くなったので体調を崩されないよう気をつけて、また元気でお会いできるのを楽しみにしています。
基礎2コース東京土曜クラス 助手 片山