臨床研修所便り

治療というのは、総合力なのです。一つひとつの技術や、注意の積み重ねで、ようやく形になってくるものなのです。

一つのことを教わっては、一つのことを忘れてしまうようでは、なかなか難しい。

ダンサーが一つ振りを教わっては、一つ忘れるようなもので、

いつ踊れるようになるのでしょうか? と尋ねられても、答えようがありません。

治療をする人の中には、相手の話しを受け入れるのが、とても下手な人がいます。

つねに、自分のやり方が、正しいと思い込んでいるタイプの人です。

実をいうと、これから鍼灸を学ぼうとする人にも、この傾向の強い人が、多く存在しています。

いい方に解釈すれば、自分がある。と言うこともできますが、

例えば、ダンサーになりたい人は、まず、目指すダンサーを、徹底的にコピーするでしょう。音楽家もそうだと思います。画家も、書家も、

始めは、みんなコピーからです。

ダメだ、と言われるには、理由があります。

全く同じように、手の動きをコピーして、触ってみなければ、

何故?が、解ることは、少なくとも、数十年は、ないでしょう。

逆に見れば、

数年かけてコピーすれば、

同じものをみれるようになるのも、

数年後だと言うことです。