2011年度 大阪基礎Ⅰ講習会 第1回

始まりました。東京土曜基礎Ⅰと両方担当している私ですが、今年度は両方の第1回目が昨日(東京)、本日(大阪)と連続で行われました。

詳しい内容は、東京で共に指導に当たっている国際部担当のS先生が、1つ前に報告してますので見て下さい。以上(笑)

なんて、簡単に終わらせるわけにはいかないので、東京、大阪ともに内容の復習も兼ねて書きましょうか。

初回はテキストの基礎理論4の精気曲線の説明をし、生命力の低下=精気の虚=根元的な冷え=陰虚と解説しました。10年以上前に積聚治療を習っ方は、陰虚の表現で説明を受けていると思います。昔から鍼灸の世界では隂主陽従という四字熟語が使われて、人体の様子を表現してきました。これは、脈診を中心にしている他の治療法でも使われてます。ちなみに、この四字熟語いつの時代に誰が言い出したのかわかっていません。似たようなことを柳谷先生だったかが言ったとある本には書かれていますが。

積聚治療で陰虚と表現する場合、陰虚の隂とは見えないものと理解し、陽を見えるものと理解してみましょう(陰陽論)。身体の症状、つまり目に見える症状、状態(陽)は、目に見えないもの(隂)の力の衰えが背景にあると考えると、「陰虚」と表現している意味が理解しやすいと思います。生命力というのも、頭ではわかっていても、目に見えないですよね。世の中、この目に見えない大きな力の存在が重要だったりします。積聚治療の最初の本である、『東洋医学講座第10巻経絡積聚治療編』(自然社)では、すべて陰虚で説明されています。2000年に医道の日本社から出版された『積聚治療 気を動かし冷えと取る』では、精気の虚、(根元的な)冷えという表現が使用されています。

では、「根元的な冷え」という表現はどう理解したらいいのか。今回の講義で人の生死について説明しました。生きているという状態をを一つ表現するなら温かいといえます。人は約36度の体温で活動しています。つまり生きています。しかし、死ぬ、つまり死体の状態を同様に示すと、冷たいというのが事実です。つまり、体が冷える、ということが高じると人は死ぬ言えるわけで、体に不調が生じている、症状がでているということは、体が冷えてきていると考えてみるのです。生命力の低下=精気の虚=根元的な冷え=陰虚がわかりやすくないですか。

でも、そう説明すると、発熱の状態は冷えじゃないじゃないか!とよく質問を受けます。そうです、冷えではなく、厳密には「根元的な冷え」です。

では、この根元的とは何か、発熱などの状態をどのように理解すればいいのか、それが次回の講義内容になってきます。具体的にはテキスト基礎理論1~3までの理解が必要になってきます。ってなことでお楽しみにー。

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あっ、正確には写真の本が最初か(笑)。ちなみに、絶版でーす。