基礎2日曜クラス 第2回報告 その1

5/29(日)狛江の太子堂鍼灸院で高橋大希先生による第二回目の基礎2クラスが行われました。

補助治療についての復習から

積聚治療は精気の虚を補う治療法です。

①基本治療+②補助治療で構成されています。
①どんな患者にもおこなう治療
②基本治療による補い不足を補う治療

積聚治療ではどんな症状でも原因はすべて精気の虚(生命力の低下)と考えますから、いわゆる標治法のように主訴に関連付けて肩コリだから肩に鍼をするというような発想はしません。症状はすべて精気の虚を表す指標とします。基本治療でどれだけ精気の虚が回復するかが次のステップである補助治療を選ぶ指標になります。このように常に精気の状態を指標を通して観察し、刺激の量や内容を考えながら治療します。

基本治療で主訴やその他の指標の改善が十分であれば補助治療はおこないません。

補助治療の分類

①外傷治療
②基本的な補助治療(陰陽という発想に基づく)
③一般的な補助治療

補助治療はこの3つに分けることが出来るそうです。

②基本的な補助治療とは人体を易の陰陽で観た時に陰陽の転換点になるところ「任脈、百会、指間穴など」

③一般的な補助治療とは②にカテゴライズされない「失眠のお灸など」のことを指します

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陰陽による人体の見方

易を背景に持つ積聚治療はすべてを気として考えます。
そして陰の気と陽の気に分けることにより、その状態を把握します。
臨床上、覚えておいた方がよい4パターンの陰陽を習いました。

A) 体を上下に分ける。
単純に上半身を「陽」、下半身を「陰」と分けるのではなく、境目は常に変わるので固定的に捉えない。

B) 体を深浅で分ける。
浅い気である皮膚側を「陽」、深い気である骨側を「陰」で表す。
外側である「陽」の気の密度は粗く動きやすいが反対に陰の密度は高く動きづらい
外側の「陽」の気の対象をオーラや熱気、匂いにまで広げるとヒトの境目が拡大し肉眼では見えなくなる。

C) 体を内外で分ける。
人体を竹輪のようにチューブ状に置き換えて外側の皮膚面とチューブの穴の中を外側と考える。
外(陽) 皮膚、粘膜、食道、胃、小腸、大腸、肛門、膀胱など
内(陰) 肝臓、脾臓、腎臓、骨など

D) 体を陰陽で分ける
上記A)~C)が含まれますが、それ以外に例えば経絡を見てみると、陽経は体表部を通り、陰経は蔵をまとう(体内を流中)
手掌を大腿外側につけた状態で立ち見える部分を「陽」、脇の下や足の裏など見えない部分を「陰」とする。

このように人体をいろいろな陰陽の視点でみていく訓練をすることで、さまざまな患者に対応することができます。

特殊鍼法について

毫鍼では不十分な深い気に対する手段として長鍼、太鍼、灸頭鍼などがあります。現在の小林会長はほとんどこれらの鍼を使うことは無いようです。しかし30年前の小林会長は日常的に治療に使っていました。いろいろな鍼を自在に使いこなせるようになれば豪鍼での治療も上手くなります。また今後、三稜鍼を使うようになった時、刺入時の一瞬の鍼先の感覚で最適な深度などを判断しなければなりません。
それにはこれらの特殊鍼を使っていないと難しいようです。
実技では腸骨稜、委中(BL40)、太溪(KI3)などを指標にして膝などに主訴がある場合は自動運動をしてもらい背部兪穴の一穴ごとに変化を確認しました。腸骨稜の反応が残ればそこに鍼をして、自動運動をしてもらうことでほとんどの主訴が無くなっていたようです。

次回は6/26(日)です。
堀部耕平