2016年度 応用2クラス 第2回報告

積聚会の髙橋大希です。今年度から前期後期に分けられて開催されている応用2クラスですが、第2回は「易の思想について」をテーマに講義が行われました。

さて、なぜ積聚治療では易を重要視し、それを学ぶのでしょうか。

ここで一つ勘違いして欲しくないのは、易を学ぶことで治療効果が上がるわけではないということです。いや、ないと言い切ってしまうのは問題ですし、ないわけではないのですが。

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基礎1クラスでは積聚治療の基本治療を習いますよね。

習った内容で治療がうまくいく事もあればそうでないこともあります。それには2つのことが考えられます。

①基本治療の技量不十分だから。②基本治療ではうまくいかない患者さんの状態だから。

この②を解決する一つの方法が基礎2クラスにあります。基礎2クラスでは基本治療でうまくいかない患者さんの状態に対応する為の補助治療を習います。すると、今まで基本治療だけでうまくいかなかった患者さんの状態に対応できるようになります。それでもうまくいかなくなる時がきます。そこで、なぜ治療がうまくいかなかったのかを考えるようになります。その考え方を習うのが応用1クラスです。

応用1クラスではなぜ基本治療だけでうまくいくときと、そうでないときがあるかを学びます。つまり、治療の目的である病の原因を考えようというわけです。そうすると、基本治療の技量不足、補助治療の使い方、そしてそれが病の原因とどう関係しているのかを自分で考えれるようになるのです。それでも(笑)、うまくいかなくなる時がきます。それは病の原因が、「あるもの」だと特定できるようになったときです。そして、その「あるもの」を解消する手段を習うのが応用2クラスということになるのです。

そこで話を戻しますが、なぜ易を学ぶ必要があるのか。

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それは、なぜ積聚治療がこのような理論(考え方)で行われているのか、ということを理解する為です。

なぜ筋肉や神経で説明されないのか。

経脈や臓腑の虚実で説明されないのか。

積聚治療では病の原因を「精気の虚」と表現していますが、この精気と言う言葉は、鍼灸発祥の中国医学の文献よりもはるか昔の文献である『易経』に書かれているのです。そして、『易経』には精気とは何かが書かれており、その意味を理解しようとすると、易を勉強しなければいけないということになるのです。そしてこの易を勉強することは、『易経』より後に書かれた中国医学の文献を理解を助けるだけでなく、人生の多くのことを理解するのにも役立つのです。だから昔の人は易を学んだのです。

ですので、なぜ積聚治療がこのような理論(考え方)で行われているのか、ということを頭(知識)でも体(治療)でも、なぜ、と思ったら是非とも易を勉強して頂きたいのです。

ですので、もし、そこに疑問を抱いていないのなら、まずは基礎2の補助治療を、応用1の病の原因追求を、応用2の原因解消手段を深めて頂きたい。そこを深める過程が、基礎1で習った基本治療の技量を上げることに繋がり、基本治療の効果を実感することで、なぜ積聚治療がこのような理論(考え方)で行われているのか、というところ行きつきますし、治療での悩みははるかに解決します(笑)。受講したことと、それを理解したこと、そして身に付けていることは違いますからね。わからなければ何度でも受講して欲しい。

人は、なぜ、の答えを知りたがります。でもその答えはいつも簡単に手に入るわけでも理解できるわけでもなく、時間をかけないと理解できないものもあるんです。「易」という字や「やさしい」と書きます。ここから既に陰陽が、そして太極が始まっているんです(笑)

応用2クラス助手 高橋大希