基礎2 東京土曜クラス 第2回

こんにちは。基礎2コース東京土曜クラス助手の片山です。
6月2日(土)に第2回講習会が行われました。

陰陽による人体の見方は大きく4つに分けられます。上下、深浅、内外、経脈の走行によるものです。
その中で今回は上下による人体の診方を行いました。
この上下による診方は相対的な診方であり、上があるから下があり、下があるから上があるものです。

そして病症の成り立ちは手足末端から始まります。つまり下虚(=陰虚)から始まるのです。症状が徐々に上に昇ってくるにつれ状態が悪化すると解釈します。

陰の病症の指標としては、基礎1コースで習った指標に加え、曲骨、椎間、脊際、腸骨稜、仙椎、仙腸関節、崑崙、太渓を診ていきます。

実技では陰虚の時に診ていく指標の中でも腸骨稜、太渓、崑崙の指標の診方と補助治療として長鍼を行っていきました。

太渓、崑崙は必ずしも経穴の場所とは限らず、反応が出やすいポイント、圧をかけていく方向などの指導がありました。
反応がある場合は骨に向かって圧していくと直接骨に触れるのではなく、骨の上にグミのようなグニュっとしたものを感じるとのことでした。
全ての反応を患者さんに確認するのではなく、その手応えを身体で覚えていけると良いですね。

  

今回補助治療として長鍼を行いました。
積聚において補助治療の長鍼は“深い気に対する治療”に用います。
今回使用した鍼は前田豊吉商店のもので3寸10番鍼です。
刺鍼方法は毫鍼と同様で鍼管を使わずに押入法で、鍼柄をすりおろしていきます。
毫鍼に比べると出力が大きいので切皮程度で十分変化することもあるようです。

現在小林詔司先生は治療に長鍼を用いることは殆んどないのですが、長鍼などの補助治療を用いた過程があった上で今の治療体系ができているので、これらの鍼を使いこなせられるというのが大事だとのことでした。

また今回治療をしていく際に意識をしておいてほしいポイントとして以下の3つのことがあげられました。

①基本治療中に変化を追いながら補助治療を考える。

②自動運動のできる指標をつくり鍼を当てるごとにその運動を繰り返す。
治療終了後に症状を確認するのではなく、必ず患者さんと今の状態を共有していく。

③主訴の変化が見られない場合は次の補助治療を考える。次の手を常に考えておく。

とのことです。この基礎2ではただ淡々と手順を追っていくのではなく、これらのことを常に考えながら、臨床の現場でも対応ができるようにというような横山先生の思いが伝わってくる講義でした。

次回は6月23(土)です。
補助治療として長鍼・太鍼を行うようです。
普段なかなか行わない長鍼の押入法難しかったですね。しっかりと練習をして次の講習に挑んでもらえたらと思います。

基礎2 東京土曜クラス 片山玲美