2024年5月26日に基礎1コース日曜クラス第2回の講習会が行われました。
今回の講習では指標と腹部接触鍼がテーマになります。
初めに指標についてです。
積聚治療での指標とは、目に見えない生命力の低下が主訴や脈の状態、腹部の積聚とともに体表に現れたものと考え、そこに自発痛、圧痛、硬結があれば、生命力低下の存在と程度がわかること、また、指標の変化によって治療の効果も把握できると考えます。
今回は基本治療で必要ないくつかの指標の説明があり、その中でも腹部接触鍼の際に確認する大腿骨内側上顆、曲泉、膝関、陰陵泉の4つの指標の説明がありました。
先ず、指標の確認のポイントとして、指標を目で見てから触っていくこと、徐々に圧をかけていくこと、周囲と比較することがあり、さらに、確認する際には手前側では示指、中指、薬指の3指のうちのいずれか、向こう側では同じ手の母指を用い、いつも同じ指で、同じ方向、同じ圧を使い治療前と後での比較をしていくこと。また、触れた時の患者の言葉による反応だけでなく、表情なども確認していくと良いと説明がありました。
このように指標の意義や確認方法の原則が説明された後、実際の触り方のデモが行われ、モデル患者の膝関節周辺に印をつけた指標を受講生が交代しながら確認していきました。
ここで休憩をはさみ、後半は腹部接触鍼です。
積聚治療の手順では、より浅い気から深い気へ影響を与えることを基本としていますので、先ずは人体のなかで最も浅い気である皮膚に対して腹部接触鍼を行うことから始まります。
講義では腹部接触鍼の意義、接触する範囲や場所、実際の腹部接触鍼での押手の構え方などについて細かい説明がありました。
特に、腹部接触鍼のポイントとして、鍼先と押手の母指・示指が3点同時に接触し、さらに痛みを与えずに皮膚を圧迫することが大切であること、そして、痛みを与えずに圧迫するためには押手の母指・示指で皮膚をきちんと張ることが大切であると説明がありました。
講義の後、腹部接触鍼のデモがあり、その後受講生同士がペアになって腹部接触鍼の練習を行いました。
私も学び始めた際に押手と刺手を接触するタイミングがずれて、皮膚を張ることができずに痛みを与えてしまうことが沢山ありました。どのようにすれば痛みを与えなくなるかを考えながら練習をしていくことで、だんだんと痛みがなく鍼を圧迫できるようになっていったように思います。最初はどうしても痛みを与えてしまうことが多いと思いますが、痛いからやらないのではなく、どうすれば痛みなくできるかを考えながら、何度も回数を重ねることが大切だと思います。簡単そうにみえても実は難しい鍼の仕方が接触鍼だと感じています。
講義の最後には前回行った委中の刺入練習を行いました。
今回の講習内容は以上となります。
本日のテーマだった指標は基本治療の手順が進むにつれて場所が増えていきますので、その日におぼえた指標を、家族や友人などたくさんの人に触れて、触り方の復習をしていくと良いと思います。
また委中刺入や、腹部接触鍼の練習時にも前後での指標の変化を確認してみてください。
助手 川浦