基礎Ⅱ日曜クラス 第4回報告 その1

7月10日(日)基礎Ⅱ日曜コースの4回目が行われました。
今回は「陰の病症の内科系疾患」の座学と「灸頭鍼」の実技でした。
●まずは、前回までの復習。。。
 積聚治療をやっている人を大勢見てきましたが、「今一つ壁を乗り越えていない」人達はだいたい、一般的な補助治療を「使えていない」「使っていない」「使い方がわかっていない」。皆さんに紹介しているような一般的な補助治療は、小林先生は現在は、ほとんど使っていないですが、小林先生も「いざっていう時」には使います。小林先生が今、一般的な補助治療を使わなくても良くなったのは、それまでに一般的な補助治療を使ってきたから、使わなくても治せる今がある。今の小林先生の治療を見てマネをしようと思っても、なかなか同じ様に精気の虚を十分に補いきれないことがあるので、ぜひ、一般的な補助治療を積極的に使って頂きたい。基本治療をやっても、「主訴が変わらない」「積が変わらない」「指標が変化しない」場合には、一般的な補助治療を使わないとダメだという形に切り変え、「どの補助治療が必要なのか」というのを考えながら治療してくださいと髙橋先生は説明されていました。
 病症の成り立ちは、まず「下虚・陰虚」が手足の末端から始まり、これはのぼせに対して冷えと称しているもので、冷えがのぼせをもたらし、徐々にその冷えが上に上り症状が悪化するんでしたね。これは具体的には徐々に、身体の下から症状が出てくる、指標が増えてくるんでしたね。前回、ここまでの内容を下肢の運動器疾患でみて来ました。その中でも、臀部の指標がとても重要で、具体的には、「腸骨稜の反応をいかに緩められるか否か」で、運動器系疾患の治療結果は変わってくるんでしたね。
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●つぎに、「陰の病症の内科系疾患」の講義でした。
 同じ「陰の病症」でも、「筋肉・運動器の問題」は、下半身という陰の部分の中でも「浅い所の問題」になる。「泌尿・生殖器系の問題」という内臓の問題は、同じ下半身という陰の部分の中でも、より「深い所の問題」と考えていくことができ、「運動器系の疾患」よりも「内科系の疾患」の方が深い所まで「冷えが入っている」という風に考えられるんでした。それだけ「精気の虚」の程度も強いということですね。冷えが下から上に上がってきて、それがさらに「表」から「中」に入っていくという状況です。前回までは、ただ単に「上下」で陰陽を診ていましたが、今度は「深いか浅いか」でも陰陽を診ていきますと髙橋先生は説明されていましたね。
 選穴の基本は、今までと同じ様に「症状と指標の有無からより遠いツボを選択する」ということでした。そして、精気の虚が強いほど、鍼ではなく灸を選択、実際には、鍼をして変化がないなと思ったら灸を使用していくんでしたね。
 「陰の病症の内科系疾患」の選穴は、陰中の陽の問題・運動器系の疾患の時に使っていたツボと一部被っていました。これらは膝の問題とか腰の問題とか腸骨稜を緩めるのに使えるわけですが、更に内科系の疾患にまでなってきた、あるいは、精気の虚が強いと考えられる場合には今回の「陰の病症の内科系疾患」の選穴が使えてくる。と説明されていました。
 実際には、「陰中の陽」の問題か「陰中の陰」の問題か、精気の虚が軽いか・強いかというのは、指標の変化で実際に治療しながら診ていくので、なかなか指標が変化しない運動器系の疾患には、「陰の病症の内科系疾患」の選穴も使えるということを覚えていてもらうと、病名ではなくて、精気の虚の程度に応じて、どういう風にしていけば良いかということがわかってくる。そこに行くまでの過程として、単純に、運動器系か内科系かで分けて行って、慣れてきたら、そういうくくりを外して、精気の虚の程度だけを診ていくといいですねと髙橋先生は説明されていました。
 また、患者さんの主訴を確認して、指標の反応を見て、この患者さんにはどういう補助治療がつかえるなぁと考えながら基本治療をしていかないとダメです。そして指標の反応の変化を見ながら、消去法で消して行って、この人にこれを使おうと選穴していくと話されていました。
●実技では、基本治療の後に、臀部もしくは腎兪・志室への灸頭鍼を経験してみましたね。実際に体験してみて、身体を変化させていくということを体感できたのではないでしょうか。
●講習が終わってみて、今回も非常に内容の濃い一日だったかと思います。
では、次回は7月24日(日)です。
次回も元気にお会いしましょう。
基礎Ⅱ日曜クラス 聴講生 伊賀秀文